4.0
も〜やんさん、色々描いていたんですね
「た・び・て・ん」では先だってレポートで掲載したので、今回は「小企画 生誕100年 元永定正展」についての感想を。
「も〜やん」こと元永さんは阪神間や海外で活躍した具体のメンバーのお一人。元永さんといえば抽象画のイメージだったが、本展で神戸の街や人物画を描いていたことがわかる。元永さんは当初、漫画など具象を描いていたけれど、芦屋市展に参加をきっかけに抽象画を描きたくなったそうである。(出品作品が抽象画が多かった!)抽象画を描きたいけれど、はてどうやって描いたらいいかわからない。そこで、芦屋浜に漂流したガラクタを使ってオブジェを作ってみた。そこから発想を得て抽象画への作風へと変わっていく。先日、担当学芸員の解説会で聞いて面白かったのが、メインビジュアルになっている《寶がある》は摩耶山がモデルとなっているそうだ。当時摩耶山には遊園地(!)があって夜にはピカピカとネオンが光っていたそうだ。おそらく芦屋浜あたりに住んでいた元永さんは夜光る山を見て描いたのではないかという考察だった。
巨匠でも初めはどうやって描いたらいいかわからないものなのだと親近感が湧いた。まずはシンプルに作品の色やカタチから楽しんでそこからそのモチーフを探っていっても面白いかも。