目と頭で楽しむアート
最近の作家が作った現代アートの展示だと思っていたのだが、1960〜1970年代の作品とあり、少し驚いた。作品もその制作工程やコンセプトが斬新に思えたから。今回はあえて展覧会の予習はせずに、展示室で鑑賞し、その後解説会に赴いた結果…readmore
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ミニマル・アートは、主に1960年代のアメリカで展開した美術の潮流です。作家の手仕事やその痕跡を廃し、工業用素材や既製品を用いて、単純で幾何学的な形やその反復から成る作品を制作しました。ミニマル・アートに続いて現れ、同時代に国際的な広がりを見せたコンセプチュアル・アートは、物質的な制作物以上に、その元となるコンセプトやアイデアを重視します。特定の形式に縛られることなく、言葉や印刷物、日用品、作家自身の行為、それを記録する写真や映像など、多様な媒体が用いられました。
ドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻は、1967年にデュッセルドルフにギャラリーを開き、こうした同時代の国際的な動向をいち早く紹介しました。フィッシャー夫妻は展覧会を手掛けた作家たちの作品を収集すると共に、その制作過程に関わる書簡や指示書、ドローイングといった多彩な資料も保管していました。
本展は、故フィッシャー夫妻のコレクションを収蔵したノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の全面的な協力のもと、フィッシャー夫妻旧蔵の貴重な作品と資料、ならびに日本国内に所蔵される主要作品を通じて、今日のアートに大きな影響を与えたこの二つの芸術動向を振り返ります。
会期 | 2022年3月26日(土)~2022年5月29日(日) |
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会場 | 兵庫県立美術館 Google Map |
住所 | 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 (HAT神戸内) |
時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 1,600円(1,400円)〔1,400円〕 大学生:1,200(1,000円)〔1,000円〕 高校生以下無料 70歳以上 800円(700円) 障がいのある方(一般) 400円(350円) 障がいのある方(大学生) 300円(250円)
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TEL | 078-262-1011 |
URL | https://www.artm.pref.hyogo.jp |
◆ 講演会
講師:林寿美氏 インディペンデント・キュレーター
日時:4月9日(土) 14:00-15:30
※開場は30分前から
会場:兵庫県立美術館ミュージアムホール
定員:110名 先着順・要観覧券・芸術の館友の会会員優先座席あり
◆ 学芸員による解説会
日時:4月23日(土)、5月7日(土)
いずれも15:00-15:45 ※開場は30分前から
会場:兵庫県立美術館レクチャールーム
定員:40名(先着順)
◆ こどものイベント
詳細は兵庫県立美術館の公式サイトをご確認ください。お問合せ TEL 078-262-0908
最近の作家が作った現代アートの展示だと思っていたのだが、1960〜1970年代の作品とあり、少し驚いた。作品もその制作工程やコンセプトが斬新に思えたから。今回はあえて展覧会の予習はせずに、展示室で鑑賞し、その後解説会に赴いた結果…readmore
4.0
言葉としてミニマル・アートやコンセプチュアル・アートは知っていたが、実際これほどまとめて作品を鑑賞したことはなかった。いわゆる現代美術と括ってしまうほどには「美術」的ではないため、素通りしてきただけかもしれないが。
だから、フィッシャー夫妻が収集・紹介してきた作品がテーマごとに体系的に展示されている本展は、1960-70年代のこういった芸術動向に触れるよい機会になるはずだ。着目した作家と展覧会を開催するための手紙のやりとりなどの資料も充実していて、フィッシャー夫妻を通じて作家像が見えるようになっていたのがおもしろかった。コンセプトが重視されるこれらの作品がただそれだけで提示されていたら、たぶん疎外的な印象を持ってしまっていただろう。
ところで、本展のすべての作品というわけではないが、ミニマル/コンセプチュアルな芸術というのは、作る側にも見る側にもかなりの忍耐力を要請するもののように思う。習慣的に継続すること。羅列的に記述したり並べたりすること。長時間にわたって目や耳や身体を張りつめて作品と関わる、あるいは作品そのものになること。そうして、何かを見つけたり、考えたりすること(←これが一番鑑賞者にも関わる)。
アーティストたちは半ばこれに快楽を感じているところもあるのだろうか。実際のところはわからないが、機械的で組織的な制作方法や記録を伴う一見無機的な作品たちに見出される、ほとんど唯一の生の気配は、忍耐というやや苦々しい感覚でもって保たれているのかもしれない。作品の概念的意味が十分に理解できなくても、それを感じながら鑑賞すれば、いくぶんかは「難解さ」を忘れられる、はず。
4.0
この手の展覧会は、思わず身構えて、肩に力が入ってしまうのが常です。
分からないのではないかと。まっ、分からなくてもいいのですが。
私と同じような思いをお持ちの方は
なので、講演会や学芸員解説会に参加するのがお薦めです。
現代に通じる60-70年代の芸術がこうなのだと展開する。
仮に、これらの作品がポツンとコレクション展示室にあったのなら????が増える一方なのでは?
聞いたことはあるが、系統だってとかまとまって目の前で展開していくと
こういうのを「ミニマル/コンセプチュアル」と言うのかと、ちょっと納得する。
「コンセプチュアル」なので、作品までのプロセスが思索的というか、哲学的というか、
私が極端に苦手な数列的な、幾何学的な理系脳、展開もあって、
多様に展開していきます。
現代アートへ通じる「ミニマル/コンセプチュアル」を見ておくってことは
後々、あの時に見たなと思い出すような気がします。
何故って、本展の展示で再会したボイスとパレルモは、国際美で観た「ボイス+パレルモ」よりずっと近く感じましたもの。
首都圏以外の公立の美術館では、この手の展覧会に出かけていく人が限られているように思います。
多分それは、中高年の女性が来館者に圧倒的に多いから?
出かけましょう、是非!体感しましょう、知らない世界観を。
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