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ミニマルとコンセプチュアルの並走時代、欧州と米国の交流。発注芸術、レジデンスの嚆矢
ミニマル・アートの形式とコンセプチュアル・アートの手法(※)が、コインの裏表のように並走していた1960-70年代。フィッシャー夫妻はドイツのデュッセルドルフでギャラリーを開き、欧州だけではなく米国のアーティスト(※※)とも交流して作品を紹介、収集していた。
この時代から始まったいわゆる発注制作の技法により米国の作家からの指示書によって作品を制作展示したり、米国の作家を呼び寄せて今でいうアーティスト・レジデンスのようなこともやっていたようだ。
なお、初見、未知の作家は、リチャード・アートシュワーガー、ローター・バウムガルテン、スタンリー・ブラウン、ハンネ・ダルボーフェンの5名。『ART SINCE1900』の632ページに記述のハンネ・ダルボーフェンの作品が展示されていた。
フィッシャー夫妻のコレクション展であることも関係しているのか撮影不可なのが残念。代わりにカタログを購入。
※ コンセプチュアリズムとは違い、コンセプトをある意味、作家自身への指示書と位置づけ制作する手法、態度。
※※ 出品作家18名のうち、カール・アンドレ、ダン・フレイヴィン、ソル・ルウィット、河原温、ロバート・ライマン、リチャード・ロング、ブルース・ナウマン、リチャード・アートシュワーガーの8名が米国拠点、その他は欧州の作家。