5.0
正倉院展の季節。
正倉院展というとやはり聖武天皇遺愛の品や大仏開眼会にて献納された品が目玉展示とされ、今年も期待を裏切らない素晴らしい宝物の数々が前半の展示室を彩っていました。
その一方で、事前の勉強不足であまり注目していなかったが故に予想に反してとても感動したのは、後半の古文書や文房具の展示でした。例えば、写経所の下級役人が「下痢で出勤できません」と報告した書面や、使い古した写経用の筆を新調してもらうための申請書、墨で袖を汚さないための腕カバーなどは今の時代とも通じるものがあってすごく親しみを感じました。また、筆や墨、様々な色に染められた未使用の紙(色褪せや虫食いなど無く複製品かと思ってしまうほどの美しさ!)などからも当時の「書」やそれらを扱う「人」を知ることができました。
事前日時指定で人数制限はされていますが、毎時00分に並ぶと入場時の待ち行列があり第1展示室も混みます。毎時30分ごろに来館すればすぐに入場できて会場も比較的ゆったり観覧できると思うのでオススメです。