4.0
知らなかった世界がみえた
現代アートは一見すると苦手と感じてしまうものもあり、それでも作品の背景などを知ると納得感と共に愛着がわいてきて、そういう側面が楽しいと思うのですが、今回の展覧会はまさにそのように感じるものでした。
目を背けていた面に気づいたり、新しい世界がひらけたと思います。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 299 の美術館・博物館と 573 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
アーティスト・コレクティブ(*1)、Chim↑Pom(チンポム)は、独創的なアイデアと卓越した行動力で、社会に介入し、私たちの意表を突く数々のプロジェクトを手掛けてきました。作品の主題は都市、消費主義、飽食と貧困、日本社会、原爆、震災、スター像、メディア、境界、公共性など多岐にわたり、現代社会の事象や諸問題に対するメッセージ性の強い作品でありながら、その多くにはユーモアや皮肉も感じられます。
また、コロナ禍において顕在化している、感染症や疫病患者に対する差別や偏見、汚染や境界といった社会問題について、彼らは、それらを予見するかのようにこれまでの作品のなかで取り上げています。その示唆に富む課題提起は、今、まさに考察に値するといえるでしょう。
本展は、結成17周年を迎えるChim↑Pomの初期から近年までの代表作と本展のための新作を一挙に紹介する初の本格的回顧展です。展示は、都市と公共性、ヒロシマ、東日本大震災などのテーマに則して構成され、作家が一貫して考察する事象を浮き彫りにしつつ、活動の全貌を検証します。一方で、創意工夫に富んだダイナミックな展示構成により、作品に新たな光を当てることを試みます。
展覧会のサブタイトル「ハッピースプリング」には、長引くコロナ禍においても明るい春が来ることを望み、たとえ待ちわびた春が逆境のさなかにあっても想像力を持ち続けたい、というChim↑Pomのメッセージが込められています。先行きが不透明な今日、既成概念を打ち破る彼らの力強い作品は私たちの想像力を刺激し、共により良い未来を考える道標となるでしょう。
*1 複数のアーティストが協働する形態
会期 | 2022年2月18日(金)~2022年5月29日(日) |
---|---|
会場 |
森美術館
![]() |
展示室 | 森美術館ほか |
住所 | 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F |
時間 |
10:00~22:00
(最終入場時間 21:30)
|
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 | [平日] 一般 1,800円(1,600円) 学生(高校・大学生)1,200円(1,100円) 子供(4歳~中学生)600円(500円) シニア(65歳以上)1,500円(1,300円) [土・日・休日] 一般 2,000円(1,800円) 学生(高校・大学生)1,300円(1,200円) 子供(4歳~中学生)700円(600円) シニア(65歳以上)1,700円(1,500円)
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.mori.art.museum/jp/ |
4.0
現代アートは一見すると苦手と感じてしまうものもあり、それでも作品の背景などを知ると納得感と共に愛着がわいてきて、そういう側面が楽しいと思うのですが、今回の展覧会はまさにそのように感じるものでした。
目を背けていた面に気づいたり、新しい世界がひらけたと思います。
4.0
映像作品をまともに観たら、3時間でも足りないかもしれません。勝手に基本的に新作展かと思っていましたが、大回顧展でした。初期作を観る機会はしばらく無いかとも思います。単なるお騒がせアーティストでは決してないので、足跡を観てもらいたいです。
4.0
広島の上空に飛行機雲で「ピカッ」の文字を描いたり、渋谷の岡本太郎《明日の神話》の右下隅に原子炉とドクロの絵を足したのは、一般的ニュースになったのを知っている人も多いと思う。
全体的な印象はストレートに過激なパンク。大がかりな作品そのものより、表現に結びつける《思考と行動》がアートとしてのインパクトな気がする。小難しくないのがスゴイ。
結局ほとんどのものが「活動再現」なのだが、写真やビデオだけで無く、ほぼそれに近いモノを作り込んだのが秀逸。美術館内を2階建てにしアスファルトも敷いてしまうのは驚き。
好みの問題だが、ホーページに作品解説が載っているが、予習していかないほうがいいかもしれない。作品と向き合ってから解説を読んで受け入れる方がインパクトはあるかも知れない。
平日午後1時に予約無しで行ったが、すんなり入館。混雑も全くなし。
1.0
モノの見方や考え方は様々で、ありふれたものを真剣に捉えて考え、課題視されたことを発信されている企画展。
映像作品や体験型展示もできるだけ観ましたが私にはかなりしんどい内容。でも評価されているアート作品のようで自分の受容力の乏しさを感じました。
4.0
前回のアナザーエナジー展に続きラディカルな展示。社会的・政治的とも取れるインスタレーション、映像や作品を創り続けるアート集団chim↑pomはただ提起するだけでなく、そこにはファニー、アイロニー、時にイデオロギーや権威との対峙するようなものといったものも含まれる。資本主義や新自由主義的な思想が溢れる社会で我々はどのように政治と、公共と、自己や環境と向き合うべきかを考えるきっかけに触れられる展示。
3.0
Chim↑Pom展を観てきました。森美術館の空間をこんなに自由に使えるんだと驚きました。体験型の作品もありました。途中、暗闇の中を進む箇所があり、暗闇と音響に私は安らぎではなく、何故か怖いと感じてしまい、足早に通り過ぎました。1人ぽっちでなくて良かったです。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
東京都港区で開催中の展覧会
Chim↑Pom《ビルバーガー》2018年
ミクストメディア(にんげんレストランのビルから切り出された3階分のフロアの床、各階の残留物)
400×360×280 cm(左)、186×170×155 cm(右)
素材提供:にんげんレストラン、Smappa! Group、古藤寛也
個人蔵(左)
Courtesy: ANOMALY(東京)
展示風景:「グランドオープン」ANOMALY(東京)2018年
撮影: 森田兼次
Chim↑Pom《ブラック・オブ・デス》2008年 ラムダプリント、ビデオ 写真:81×117.5 cm、ビデオ:9分13秒
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
Chim↑Pom「酔いどれパンデミック」2019-2020年 個人蔵
委託制作:Manchester International Festival and Contact, 2019
企画:Contact Young Curators
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
撮影:Michael Pollard
Chim↑Pom《道》2017- 2018年 オンサイト・インスタレーション サイズ可変
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
展示風景:「アジア・アート・ビエンナーレ2017」国立台湾美術館(台中)2017- 2018年
撮影:前田ユキ
Chim↑Pom《狐狗狸刺青(こっくりさんタトゥー)》2008年 ラムダプリント 83×52 cm
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
Chim↑Pom《USAビジターセンター》(「ジ・アザ―・サイド」プロジェクトより)2017年 ジークレープリント 66×100 cm
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
撮影:松田 修
Chim↑Pom《ヒロシマの空をピカッとさせる》2009年 ラムダプリント、ビデオ 写真:66.7×100 cm、ビデオ:5分35秒
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
撮影:Cactus Nakao
Chim↑Pom《LEVEL 7 feat.『明日の神話』》2011年 アクリル絵具、紙、塩化ビニール板、ビデオ、ほか 絵画:84×200 cm、ビデオ:6分35秒
所蔵:岡本太郎記念館(東京)
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
Chim↑Pom《May, 2020, Tokyo(へいらっしゃい)―青写真を描く―》2020年 サイアノタイププリント、ゼラチン、キャンバス、鉄フレーム 175.5×352.3×4.5 cm
所蔵:高橋龍太郎コレクション(東京)
Courtesy:ANOMALY and MUJIN-TO Production(東京)
制作風景:東京、新宿