4.0
シーレが良い
同時期開催のクリムト展とは少し趣の異なる興味深い内容。
数は少ないですが、改めてシーレの魅力にはまりました。
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19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンでは、絵画や建築、工芸、デザイン、ファッションなど、それぞれの領域を超えて、新しい芸術を求める動きが盛んになり、ウィーン独自の装飾的で煌びやかな文化が開花しました。
今日では「世紀末芸術」と呼ばれるこの時代に、画家グスタフ・クリムト(1862-1918)やエゴン・シーレ(1890-1918)、建築家オットー・ヴァーグナー(1841-1918)、ヨーゼフ・ホフマン(1870-1956)、アドルフ・ロース(1870-1933)など各界を代表する芸術家たちが登場し、ウィーンの文化は黄金期を迎えます。それは美術の分野のみならず、音楽や精神医学など多岐にわたるものでした。
本展は、ウィーンの世紀末文化を「近代化(モダニズム)への過程」という視点から紐解く新しい試みの展覧会です。
18世紀の女帝マリア・テレジアの時代の啓蒙思想がビーダーマイアー時代に発展し、ウィーンのモダニズム文化の萌芽となって19世紀末の豪華絢爛な芸術運動へとつながっていった軌跡をたどる本展は、ウィーンの豊穣な文化を知る展覧会の決定版と言えます。
会期 |
2019年4月24日(水)~2019年8月5日(月)
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会場 | 国立新美術館 Google Map |
展示室 | 国立新美術館 企画展示室 1E |
住所 | 東京都港区六本木7-22-2 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
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休館日 |
火曜日 ※ただし4月30日(火)は開館 |
観覧料 | 一般 1,600円(1,400円) 大学生 1,200円(1,000円) 高校生 800円(600円)
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://artexhibition.jp/wienmodern2019/ |
4.0
同時期開催のクリムト展とは少し趣の異なる興味深い内容。
数は少ないですが、改めてシーレの魅力にはまりました。
3.0
シーレの作品がもっと見たかったのですが数が少ないのは残念でした。一番印象的だったのはオットー・ヴァーグナー《カール・ルエーガー市長のための椅子》。真珠母貝が施されていてとても綺麗ですが、市長の椅子にしては豪華すぎないかなんて思ってしまいました。あんな椅子に座ってみたいものです。
4.0
7月に行ってきました❗ピーダーマイヤー期のスッキリしたデザインの銀器がバウハウスの元になったデザインなのかなあと見たり、絵画を落ち着いて見たかと思うと、そのあとのきらびやかな建築の写真や洒落たポスターデザインと雰囲気が一変。展示物も膨大でいい意味でも悪い意味でもくらくらしました。シーレの絵を初めてしっかり見られたのと、最後の建物の模型がとてもお気に入りになったのでいい展覧会でした。
クリムト展と比べると図録の出来もちょっと見劣りがするので星4つですね。
-
もちろん、クリムト、シーレにココシュカの作品に出会えるのは素晴らしい。
しかし、この展示はハプスブルク家の栄光から、世紀末な終焉までを一気に体感できるところが魅力だろう。
3.0
100年の時を感じさせないモダンな椅子、アート作品はとても刺激的です。ポスターは、検閲前と後でどのように変わったのか、両方展示してあり、とてもわかりやすく、当時の時代背景を知るのにとても役立ちます。クリムトの作品は写真撮影が可能なため、とても嬉しかった。
4.0
展示数は約400点ととても多く見応えがあるのですが、展示内容が絵画だけではなく、建築、グラフィック、工芸、ファッションと多岐にわたるので、最後まで飽きずに展示を堪能できました。
クリムト目的に行ったのですが、何といっても素描の線のすばらしさ!
自由でのびやかで官能的で、いついつまでも鑑賞していられます。
対照的にシーレは一筆一筆が重くこちらに訴えかけてくるようで、胸に迫るものがありました。
もう既に開催が終了していますが、東京都美術館のクリムト展と合わせてみると情報がリンクして面白かったです。
5.0
上野の「都美」では「クリムト展」が大混雑だって、六本木でも素敵なクリムトに出会えます。こちらはめちゃくちゅ空いていて、ゆっくり見ることが出来ます。ウィーン世紀末をモダニズムへの過程として捉え直す展覧会なのですが、難しいことはともあれ、クリムト、シーレ、ココシカの作品は勿論、19世紀末ウィーンの歴史を辿りながら、絵画や絵画以外の芸術、思想までが、色々な角度から味わい楽しめます。特に、絵画以上に建築やインテリア好きで、歴史好きの私にとっては、建築や家具・工芸デザインやポスター、ファッションまで、まさにこの時代のウィーンで溢れ出た様々な才能に沢山出会え、「都美」以上に大満足でした。おまけで、写真を撮れる作品もありますし、スマホで衣装合成を遊べるコーナーもあります。ジャポニスム系の縦長デザインや額縁とかも、クリムトの決して良いとは思えないながらもちょっと興味深い改良服の逸話とかも、BS日テレ「ぶらぶら美術館」ではありませんが、とてもかっこいいとは思えないクリムトがモテモテな理由とかも、何となく色々思いをはせつつ、世紀末ウィーンに時空トラベルをした思いでした。会期がめちゃめちゃ長い展覧会ですから、こんなにゆとりで見られるのかもしれませんが、会期末で混雑し始める前に、ぜひ見てみて下さい。週末の夕方~夜は特におすすめです。
5.0
クリムト、シーレ共にこれまであまり触れて来なかったけど、
マリア・テレジアの時代から順を追える展示内容である事と、
エリザベートとフランツ・ヨーゼフの肖像が見たくて行きました。
ボリュームも凄いし、時代の流れの中で絵画の流行の移り変わり等も感じられる展示内容で大満足!
クリムトはキラキラ金色の作品のイメージしかありませんでしたが、初期作品にその面影は無く、とても意外でした。
もちろん金が使われている作品も有りましたが、この位の時代の作品が好きです。
スタイリッシュで恰好良かった。
でも今回一番のお気に入りはハンス・マカルト。
どれも本当に素敵でうっとりしました!
3歩程離れた所から見るのがオススメ。
彼のアトリエが描かれた作品が展示されてますが、その中に描き込まれた絵画が隣に飾られているのも鳥肌が立つ位感動しました。
展示作品のチョイスが本当に素晴らしい。
グラフィック作品は、ちょいちょいミュシャっぽい雰囲気だな~と思ってましたが、考えてみると同じ時代なんですよね。興味深いです。
今見ても恰好良いデザインですし、ウィーン工房の家具類も現代のデザイナーが作ったようなオシャレなものばかりで私の中の時代感が迷子でした。
エリザベートの時代にこれがあったのか。
シーレが描いてる女性の肖像は、よく見ると所謂モガファッション。
私の好きな物が図らずもギュッと詰まった展示内容だったので足を運んで本当良かったです。
日曜日のお昼前に行きましたが、そこまで混雑してなくて、
自分のペースでゆっくり満足いくまで鑑賞出来ました。
5.0
クリムトの作品をめざして訪問しましたが、展覧会全体の魅力に大満足でした。
作品が年代順に並べてあり、わかりやすく、ウィーンの歴史も学べました。この展覧会を観てから、ウィーンを旅したら、さらに楽しくなると思います…が、ウィーン・ミュージアムは改装中で2023年にリニューアルオープンだそうなので、若干長期的な楽しみになりそうです。クリムト、シーレはもちろん、食器、家具デザイナーや建築家の作品たちも見応えありました。
5.0
友人と二人でゆっくり堪能させていただきました。美術での100年前は本当につい先日の様な感じですね。現代美術につながっていく過程をリアルに拝見いたしました。その後は友人と二人でワインを飲みながら、少し子育てから手が離れたから、この様な時間をこれからは持つ様にしようと話しました。
4.0
女帝マリア・テレジア時代に隆盛を極めたオーストリア・ハプスブルク帝国はそれから150年ほどしてその栄華の歴史を閉じるわけだが、ハプスブルグ王室のしんがりをつとめたフランツ・ヨーゼフ一世時代に、まばゆいばかりに輝いたウィーン芸術を俯瞰する展示。
リング・ストラッセと街の形成、芸術家達の系譜が順を追って紹介される。
絵画ばかりでなく、成長する街のスケッチや、庶民の生活を彩った汎用工芸品、進歩的な女性の衣装もあり、多角的に当時のウィーンの空気を伝えてくれる。
これからはじめてウィーンを旅するなら、その予習にも最適。
エミリア・フレーゲの肖像や 彼女の衣装の複製が撮影可能です。
5.0
ウィーンモダン展、大変見応えあり満足です!
ウィーンミュージアムからの多数出品で18世紀以降のウィーン文化を総括するような内容で
絵画に留まらず建築、工芸、ファッションなど様々な展示品で溢れています。
クリムトは油彩だけでなく素描も充実しています。
個人的にはシーレが凄かったです。
クリムトよりシーレ、という人が多いのもうなずけます。
油彩は5点ほどですが素描群が最高で、いつかはシーレ単独個展も!と思える程でした。
400点という出品数で新美の展示室こんなに広かったっけとなるくらい展示されていましたが
まだ観客が少ないせいか手狭な感じはせずゆったり鑑賞出来ました。
次はなんだろうというワクワクが止まりません。
休日日中を除けば現状まだ混雑せずに楽しめるのではないでしょうか。
一点撮影可能なクリムト作品がありますがまだ撮影会までには至ってないので
合間を縫って近くで鑑賞可能です。混み始めたら難しいでしょう。
目黒区美術館のグラフィカルな作品が好きな人も楽しめます。
チケットに日付印を押してもらえば当日中であれば再入場可能です。
ただこれは企画展の混み具合によると思われます。
混み合い気味のトルコ至宝展で日付印をもらおうとしたら難色を示されました。
スタッフに再入場については要確認ですね。
今後ますます混雑すること確実な充実した展覧会です。
とってもオススメです。お早めにどうぞ。
5.0
どちらかというとウイーンで起こった、世紀末の美術界の動きや作品がメインとなっており、誰かに特化した展覧会ではなかったので、上野とはちょっと傾向の違う展覧会でした。
目黒はデザインに特化した展覧会だったので、上野と目黒の中間くらいの感じかも。デザイン、スケッチ、デッサン、家具、食器などもあり、建築、デザインが好きな人にもおすすめです。もちろん、絵画作品ではシーレやクリムトもあるので、こちらが好きな方が見ても楽しめると思います。空間が広く見やすいです!
5.0
クリムトの作品を日本で見れる機会ってほとんどないので(なんたって2点しかないから)六本木も上野も両方に行ってきた。六本木のほうがハプスブルク家と絡めたウィーン世紀末の時代背景の展示が丁寧で、クリムトが登場する前の流行りと、クリムトの画風の変遷がよくわかる。工芸品も多数あって、上野とどっちが面白かったかと言われれば、六本木に手を上げる。先にこっちを見てから上野の展示を見たほうが流れがわかっていいかも。
エゴン・シーレの画風は嫌いだったけど、素描を見ると、人物描写に全く迷いがなく、力強い線で描かれていた。やっぱり天才なんだなこの人。荒木飛呂彦が好きなだけのことはある。
思ったほど混んでなかった。たぶん黄金に興味がある人は2階のスルタンの秘宝に惹かれて、うまい具合に分散したんだろう。
5.0
友人に誘われて6年ぶりに新美術館に足を運びました。オーストリアとの外交樹立150年記念の展覧会の一つで、上野ではクリムト単体の美術展も開かれているようです。
ウィーン市にある現在改修中のウィーンミュージアムの収蔵品から数百点が持ち込まれており、雨の日で人も少なかったため2時間以上は見て回るのにかかりました。また合わせてこの展覧会の監修者であるウィーンミュージアムの副館長の講演を聞く機会も得、その情報も併せて感想を書こうと思います。
ウィーン体制の前後から始まる展覧会は時代ごとに区分され、美術展というより、むしろ精神史的な意味合いの展示も兼ねるもののように見えました。マリア・テレジアの下で学問が花開き、以降哲学、医学、法学、文学、物理学、心理学等が、また楽都といわれるように音楽が栄え、それと同じくらいに芸術が発展してゆきました。それ故に、ウィーンはアテナイでなければならずローマ、フィレンツェ、パリ、ロンドン、あるいは周辺の国々の影響を受け、そのカオスを都市に住む人々の力がまとめた様な気配を受けました。それはフランス大革命の影響からオーストリアが震源となった2つの世界大戦への期間と重なります。展覧会には登場しませんが画家を目指していた独裁者ヒトラーがシーレやココシュカとほぼ同世代ということは世紀末時代また異なった印象を与えます。
私たちはウィーンの歴史なるものを少しは知っているかもしれません。しかしそれは正史であって、もう一つや二つの歴史があっておかしくないのです。人々が日本でいえば皇居前の広場に当たるようなミヒャエル広場でバリケードを築いた様子、凍えながらプレッツェルを売る人の悲哀やおそらくは戦争の悲惨を直接ではなくとも切実に描き出した作品など。市民社会が登場してからも世紀末まで、その様子は向上したのかもしれないがやはり同じようなものだったのかもしれない。講演会では出品されているルエーガー市長の椅子から修理の際、意外な事実が発見されたという。それは椅子を作った当時の職人が掘ったとされる貧乏人の文字。人気の市長ではあったが虚栄心も強く、労働者を見下す態度をとったこともあったという。私はこの一連の展示を見て、常に規範や権威との戦いという不断の努力を垣間見た様な気がした。ビーダーマイヤー時代に人々は小さく丸まって降参してしまっ… Read More
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