4.0
料金格安、良作が盛り沢山
ひとりで展覧会に行くと、ある人とペースがぴったり合い、しばし一緒に鑑賞してしまうことがあります。今回もそれ、私より少し年配の女性の方と付かず離れずに。そのうち、話しかけられました。
女性「こんなに良い絵がいっぱい、すごいわねえ」
私「見どころたっぷりですねえ。しかも200円ですよ」
女性「私なんて110円よ」
そのご指摘の通りです。
世田美開館40周年の記念展。多岐にわたるジャンルの逸品が並びます。
陽光さすプロムナード廊下を進み、最初の扇形の展示室。今回は遮光がなく、窓から明るい外光が差し込み、建築空間の粋が味わえます。魯山人の器とともに。
ハイライトの一つは、アンリ・ルソー他の素朴派の絵画。当館のルソー作品収蔵は知っていたのですが、彼以外にも、同様に独学で創作を志した19世紀末~20世紀前半の「素朴派」作家作品を方針として収蔵していたのですね。アンドレ・ポーシャン、セラフィーヌ・ルイ、カミーユ・ボンボワ等、ルソーと較べながら味わえます。中には、ウィンストン・チャーチル元英国首相の絵も。
海外の現代アートも、ラウシェンバーグ、バスキアなど著名作家が並ぶ。
心惹かれたのは、世田谷所縁の現代作家の一角。
・カメラ修理業から60歳にして画家に転身した久永強のシベリア抑留シリーズ
・原色で溢れる塔元シスコ《絵を描く私》
・輿に乗って群衆を掻き分ける卑弥呼を強烈な赤と黒で描く、福沢一郎82歳の畳4畳分の大作《卑弥呼宮室に入る》
等々。
資料の類も含め出展総数240ですが、まだまだ出していない逸品は多数あり。勢揃いは50周年まで待つのかしら。前後期方式で良いのでもっと見たかったが、正直な心情です。