この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
日本画家・中村正義(1924-1977、愛知県豊橋市生まれ)は、日展の重鎮である中村岳陵に師事して戦後の日展で将来を嘱望されましたが、会員に推挙された1961年に師のもとを離れ日展からも離脱します。以後、旧態依然とした日本画壇に反逆し続けたことで、異端・⿁才・風雲児などさまざまな呼称がこの画家の名前に冠せられ、戦後の日本美術において特異な存在と目されてきました。
多彩で精力的な活動を展開する一方、同時代の作家たちと深く関わり、彼らを巻き込んでさながら台風の目のように強い牽引力を発揮したことも注目に値します。針生一郎とともに立ち上げた「日本画研究会」では、朝倉摂、横山操、片岡球子など在野の画家たちと日本画のあり方について研鑽を重ね、その後同郷の星野眞吾とともに異色の美術グループ「人人会」を創立したほか、更には多様なジャンルの表現者を取り込んだ芸術祭「東京展」の構想と実現へと至ります。
一方で世に認められることなく病没した三上誠の才を惜しみ、回顧展の開催に力を尽くし、速水史朗や岸本清子ら若い画家たちへの支援を行うなど、ジャンルや世代を超えて「つながる」ことを重視した作家でした。自身も道半ばの52歳で病没しましたが、その短い生涯はさまざまな画家や関係者に影響を及ぼすとともに、そうした交流によって正義の画業のダイナミズムが生み出されたとも言えるでしょう。
本展は生誕100年を記念し、正義の画業を代表作によって俯瞰するほか、こうした交友関係にも着目し、関連作家の作品もあわせて紹介します。また、映画や舞台美術、住宅デザインなど正義の関わった多様な活動にも焦点をあて、あらためて正義の実像に迫ります。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2025年5月31日(土)~2025年7月6日(日)
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会場 |
奈良県立美術館
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住所 | 奈良県奈良市登大路町10-6 |
時間 |
9:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 1,200円(1,000円) 大学生 1,000円(800円)
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TEL | 0742-23-3968 |
URL | https://www.pref.nara.jp/11842.htm |
奈良県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

中村正義《源平海戦絵巻 第3図「玉楼炎上」》1964(昭和39)年 東京国立近代美術館蔵
後期展示:6/17-7/6

中村正義《おねえちゃん》(右隻)1968(昭和43)年 愛知県美術館蔵
後期展示:6/17-7/6

中村正義《爽爽》(右隻)1966(昭和41)年 愛知県美術館蔵
前期展示:5/31-6/15

中村正義《雪景色》1969(昭和44)年 岡崎市美術館蔵

中村正義《薔薇図》1963(昭和38)年 豊橋市美術博物館蔵