3.0
遠近で楽しむ金と黒の桜
後期に行ったので、展示されていたのは「桜図屏風」。
面白い作品でしたね。
使われている色は金、緑、青と、銀から変色した黒がほんの少し。
黒い枝垂桜は遠目から見ると葡萄のようにも、藤のようにも見え、近寄らないと何が描かれているかわからない。
近寄って描かれているものを確認してから引いて見ると、土手と桜の重なりがいい具合に見えてくる。
不審な動きを繰り返しながら、不思議な作品を楽しみました。
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室町時代に大和猿楽の観阿弥・世阿弥親子によって大成された「能楽」は、その後、幕府や諸大名の保護のもと、江戸時代に至って「武家の式楽」としての地位を確立しました。式楽であるがゆえに、その内容は格調高く幽玄であると同時に、そこで使われる能装束は雅で華麗な趣を湛え、見る者の目を楽しませてくれます。
大倉集古館では、因州(鳥取藩)池田家伝来の能面と備前(岡山藩)池田家伝来の能装束を多数所蔵していると同時に、久留米旧藩主有馬伯爵家旧蔵といわれる狂言面もコレクションに含まれています。今までにも能面・能装束に重点が置かれた展覧会が多く開催されてきましたが、この度は、狂言にやや焦点をあてた展示となっています。
能関係では約5年ぶりとなる本展では、修理が完了した「紅白段業平菱菊模様唐織」と「紫地葡萄蔦模様長絹」を公開すると同時に、能・狂言の演目を描いた絵画資料や能道具などの同館所蔵の作品を中心に展示します。
※展示期間の表記がない作品は通期展示
※所蔵者の表記がない作品は大倉集古館所蔵
会期 |
2025年4月15日(火)~2025年6月29日(日)
|
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会場 |
大倉集古館
![]() |
住所 | 東京都港区虎ノ門2-10-3 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日、5月7日(水) ※ただし5月5日は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円 大学生・高校生 800円 中学生以下 無料
|
TEL | 03-5575-5711 |
URL | https://www.shukokan.org/ |
3.0
後期に行ったので、展示されていたのは「桜図屏風」。
面白い作品でしたね。
使われている色は金、緑、青と、銀から変色した黒がほんの少し。
黒い枝垂桜は遠目から見ると葡萄のようにも、藤のようにも見え、近寄らないと何が描かれているかわからない。
近寄って描かれているものを確認してから引いて見ると、土手と桜の重なりがいい具合に見えてくる。
不審な動きを繰り返しながら、不思議な作品を楽しみました。
5.0
場所柄もあり、マダムたちの声がうるさいという話がある美術館ですが、彼女たちが来ないお天気がよくない日などは落ち着いてすごせます。建物自体も素敵です。
展示されている衣装は古いものにもかかわらず、虫食いもなく綺麗なまま。刺繍も見事で、当時の職人さんの技術の高さを感じました。
4.0
能も歌舞伎もわからないので、能の企画展はすごくハードル高い気がして腰引けますが、それでも昔の人達の風俗や気持が知りたくて行くことにしています。
今回狂言にも触れている所があり、狐の面が出ていて、解説に釣狐のストーリーが書いてあり、思わず涙目に…是非この演目観てみたいと思いました。
研究目的で保存する意味も大きいのでしょうが、文化継承という観点では「生の舞台を観に行きたくなる企画展」というのは大事だなと思いました。狂言は能入門でもあるよ、と言われたので、狐と猿のお面を見ながら色々想像しちゃいました。やさしい解説でありがたかったです。
また衣装は豪華で渋いものが多くて「素敵〜♡」「どうやってこの色を出したのかしら?」などとミーハーに見ました(笑)
寄贈した方が地方の方のようで、トーハクで観るようなものとどことなく違うような、不思議な感じもしました。
横山大観の夜桜ですが、今年は1階で展示です。最初は華やか過ぎて…という気もしたのですが、この絵の描かれた経緯を知り「当時の画家が日本オリジナルの風景とはどういうものか?」と考えに考えて描いた絵だと思うと、毎年この絵を観る度に色々考えさせられます。
4.0
備前池田家由来の能装束と、有馬伯爵家由来の狂言面、因州池田家の能面を中心とする企画でした。
能装束がとても豪華、色とりどりの刺繍が見事で、展示室に花が咲いたよう。
扇が珍しく、宝永や享保(1700年代)に作られたとの説明に、300年以上前・・・吉宗の時代だ!とびっくり。
能舞台を実際に見たことはないのですが、昭和50年代に繫岡鑒一氏が描いた「能画」を見ると、頭から足元までキラキラの衣装で、思いのほか煌びやか。濃い緑の松を背景にこの衣装で舞う姿を想像すると、別世界を見ている気持ちに。一度、実物を見てみたいですね。
マイベストスリー
・白地銀竪縞萩蜘蛛巣模様縫箔:色とりどりの萩の刺繍がお見事。蜘蛛巣はどこ?と目を凝らしてようやく発見。
・羽団扇 箱書「山鳥羽團」:扇はどれも意匠が異なり興味深かったのですが、一つ選ぶならこちら。山鳥の羽をびっしり埋め込んだ扇。享保年間に作られて、大切に伝えられた逸品。
・横山大観「夜桜」:1階の大きな展示ケースで、松葉や桜の花びらの筆遣いがわかるくらい至近で拝見できるのが嬉しい。
ミュージアムショップは、能関係の書籍が充実してました。
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浅黄茶段格子蔦模様唐織 江戸時代 18世紀
紅地籠目牡丹蝶模様唐織 江戸時代 18世紀(前期展示)
紅白段業平菱菊模様唐織 江戸時代 18世紀(後期展示)
繫岡鑒一「能画《石橋》」20枚1組 紙本着色 昭和51年(1976)頃
繫岡鑒一「能画《嘘吹》」20枚1組 紙本着色 昭和51年(1976)頃
横山大観「夜桜」(左隻)6曲1双 紙本着色 昭和4年(1929年)(前期展示)
横山大観「夜桜」(右隻)6曲1双 紙本着色 昭和4年(1929年)(前期展示)
白地銀竪縞萩蜘蛛巣模様縫箔 江戸時代 18世紀
紫地葡萄蔦模様長絹 江戸時代 19世紀