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大満足の内容。民藝館に住む神仏をも感じながら。
昔、通学に井の頭線を利用していた頃は時々訪ねました。その後も年1-2回は、でも今回は実に10年ぶりの民藝館です。この間に親を4人とも送りました。路地を曲がって見えて来た、立派な日本瓦に漆喰壁に漆喰格子、大谷石の高めの腰壁に海鼠の意匠、これだけで懐かしさで胸が熱くなりました。民藝運動100年の年の日本民藝館では、所蔵作品の多い棟方志功を三部構成で開催して来ました。最後は「神仏」と決めて準備されたのだそう。「棟方志功展Ⅰ~Ⅲ」、Ⅲの「神仏のかたち」会期末間近で、やっと行かれました。割合最近、没後50年とか生誕120年とかいわれて、そごう美術館や国立近代美術館で、棟方志功展を見ています。それ以外でも、結構多く志功の作品を目にする機会はあるのですが、今展では、初めて観る作品もありました。作品数も見どころもとにかく多く、とても充実した内容の展覧会でした。図録『日本民藝館所蔵棟方志功板画集』にはⅠⅡⅢを通しての凡そ100点が掲載されていました。志功作品以外も、柳宗悦が蒐集した、或いは民芸運動に賛同したコレクターや作家たち自身から寄贈された品々が並び、とても面白いです。今回の展示には、私の好きなスリップウエアが、ちょっと少なかったのですが。柳宗悦は知識を捨て「直観」で見る美を提唱し、館内には解説が一切ありません。今回、館内の撮影は、作品のみでなくNGで、上階新館大広間の志功作品群のみが可とのことでした。棟方志功の作品はずいぶん見て来てはいますが、民藝館は建物そのものも柳氏の展開した民藝芸術運動の作品の内、です。ショーケースの木目やガラスや、梁の木材、家具、階段手摺の仕上げなども、見始めると魅力が次々に押し寄せて来ます。西館は既に公開期間が終わっていました。まあ、仕方ありません。以前には西館にも5回ほどは入らせていただいていますので。ただこれから、民藝館を初めて訪ねようとされる方は、ぜひ、西館の公開日に合わせてお出かけになることをお勧めします。また西館にはEVはありません。本館西館とも靴脱ぎが必要です。紐の靴やロングブーツでの訪館は避けた方が良いと思います。また、階段手摺・ベンチ以外は柱やショーケースにも、展示品と同等に触れられません。



