5.0
絶筆の作品が素晴らしかった。
フランスに40年以上住み、日本に戻って来た時には90越えてた、ということで、展覧会のメインビジュアルになっている作品は絶筆寸前の作品。
その寸前作と対の作品があり、絶筆作含め3点同じ作風、モチーフで(同じ花瓶だと思われる)たぶんほぼ同時に描かれたものとお見受けします。
これが⋯凄かった!⋯
連れがいなかったら1枚の絵相手に30分コースのお相手になってしまう類の、見ても見ても飽きない、素晴らしい作品でした。
師匠がマティスとあり、やはりその文脈で語られないと、認知されないのかもしれませんが(お恥ずかしながら自分もお名前に記憶がありませんでした)、何故こんなに知られておらず、もっと推す方がいないのか不思議過ぎます。
エコール・ド・パリど真ん中の時代に色々あって、当時の日本人的権威主義を嫌いそういう輩と距離を置いていたようで、そんな様子で長年フランス在住だった為認知度があまりないのでは、と過去図録にありましたが、そんなのこの絵を見たら理由にならんがな!
一階展示室のみだったので、もっと見たかったです!
初期はマティスの影響ゼロではなさそうですが、マティスの色彩、フォルムの掴み方とは確実に違い、ボナールが引き合いに出されていました。頷ける絵もあったけど、どこかそれとも違う気が⋯
もしかしたら絶筆作から向こう側に新たな展開があったかもしれないと思わずにはいられない、絶筆作が最高傑作の可能性もあるのかな⋯、などと感じて鳥肌立ちました。
いや〜、すごいもん見たわ〜。
行って良かった。再評価されてもっと拝見できることを願ってます!