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気軽に展覧会に立ち寄れない悲しさよ・・・

コロナ禍において、美術館・博物館のあり方も、だいぶ変わってきました。

昨年の3月には、のきなみ各美術館・博物館が休館を決め、長年準備を重ねてきたであろう、大規模な企画展なども「開催中止」の決断を余儀なくされました。テレビでも大々的に宣伝されていたのを見ては、鑑賞を楽しみにしていた「ボストン美術館展」(東京都美術館)や学術的なアプローチが垣間見られてどんな展示になるのか期待を高めていた「和食展」(国立科学博物館)などが、開催直前で中止の決定が発表されていました。その後、各地の展覧会の中止や延期の発表が立て続き、4月に入って緊急事態宣言が発令されると、ほぼ開館している美術館は見当たらなくなり、6月頃まで、展覧会を鑑賞するという機会は、全くといっていいほど、失われました。


文化・芸術といったものは、“不要不急”の代表格となり、アートだけでなく、1年近く前から良い座席の確保に成功していた貴重な演劇公演も大好きなアーティストの待望のコンサートもすべて、キャンセルという現実を静かに受け入れるしかありませんでした。


そんな時期を乗り越えて、文化・芸術は少しずつ、受け入れの形を変えながらも、人々が足を運べる場所に戻りつつありました。現在は、2度目の緊急事態宣言下とはいえ、コロナ禍が始まってから、早1年が過ぎる中で、いかにして、安心・安全に楽しめる場所を提供することが可能か、ということをそれぞれの業態において模索しながら、わたしたちが、感染に怯えることなく、展覧会を鑑賞したり、演劇を楽しむことが可能な機会が少しずつ提供されるようになりました。


昨年の中止やキャンセルの嵐の無念さに比べれば、文化・芸術に触れられる機会があるだけでも、本当にありがたいことです。


しかし!とはいえ!足を運んだけれど、入れなかった。

そうです、わたしたちが悪いのは、重々承知なのですが、やっぱり悲しい。


友人と待ち合わせをし、電車賃を払って移動し、ようやく美術館の入り口に近づいたときに、ふと入場券を見ると「日時指定予約制」と書いてあるではないですか!?

どこかで勝手に、上野あたりの大型の美術館や博物館でなければ「予約制」ではないという思い込みがあったのか、予約が必要ということに思い至らずに鑑賞日を迎えてしまいました。

でも、大丈夫、当日でも入れるでしょう、なんて気楽に構えて受付に向かいましたが、その日は、もう予約がいっぱいということで断られてしまい、あえなく入場することができませんでした。


よく見ればチケットにもちゃんと「日時指定予約制」と書かれています。なんでちゃんと見ていなかったんだろう!としか言いようがなく、言い訳の余地もないわたしたちは、しょんぼりとその場を去りました。


そういえば、少し前にも友人が、移動中の空いた時間に、近くに美術館があることを思い出し、展覧会を見て過ごそうという良い思い付きを喜んで立ち寄ったけれど、いざ美術館に到着すると、予約制のみで入れなかった、当日券も買うことができなかった、と言うのを聞いて、その残念な気持ちに共感を覚えていたところでした。


その日に鑑賞予定の展覧会を楽しもうと、古い雑誌を引っ張り出して、事前に予習をしていった、わたしと友人。

古い雑誌の予習の前に、まずは券面をじっくり読むべきでした。


今のような時期、美術館に足を運ぶ前に、ちゃんと公式サイトで事前にチェックなどして出かけるのは当然のことです。もちろん、美術館は全く悪くなく、コロナ対策が万全で、素晴らしいことです。ちゃんと調べなかった、ちゃんと券面を確認してから行かなかったわたしたちの考えが甘かったのです。


それにしても、ふらりと立ち寄って美術館で展覧会を鑑賞する、ということが当たり前にできていたことは、なんと贅沢なことだったのか。

人間は、いつどんな日も、精神が充実していて、毎日穏やかで、安定した気持ちで過ごす、なんていうことは難しいことです。

毎日、仕事や人間関係や、ときにはお天気の影響など自分の周りの環境の一つによっても、人は精神に影響を受けて、悩んだり、揺らいだり、落ち込んだりもします。人間は何らかの形で、明日への活力を養おうとし、睡眠や仕事や食事以外の行為からも、生きるためのエネルギーを得ようとしているのです。


美術館で展覧会を鑑賞しようとする行為は、単に絵画を楽しむ、芸術に触れる、ということではなくて、その日その時に、心にたっぷりと栄養を注ぎたかった!という側面が大いにあったことに、展覧会会場に入れなかったことで、新たに認識したのでした。

文化芸術は、“不要不急なもの”ではなく、それぞれの人の人生において、その日その時に、必要不可欠なことなのかもしれません。


その欠乏が続かないように、エネルギーが枯渇しないように、文化・芸術に親しむ場が存続されますように。

そしてどうか芸術鑑賞のお好きな皆さんは、事前予約の要不要や臨時休館などがないか、事前に調べてからお出かけくださいね。


わたしと友人が鑑賞しようとしていた展覧会は、幸いまだまだ会期があるので、次はしっかり予約をして展覧会鑑賞に臨む予定です。


おすすめ展覧会

「特別展 小村雪岱スタイル -江戸の粋から東京モダンへー」

https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/4340


プロフィール

クロキネコ
美術館巡りが好きです。地方に足を運んだときにはなるべくその地域の美術館に行くようにしています。早くまた海外に行けるようになって、海外の美術館も訪れたいです。
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