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石川直樹「DENALI IN THE MIDNIGHT SUN」|MA2 Gallery

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展示会場風景: 石川直樹「DENALI IN THE MIDNIGHT SUN」@MA2 Gallery

会期終了間近ですが、恵比寿にあるMA2 Galleryで開催している石川直樹写真展に行ってきました。

写真展を紹介しているサイトで公開されている作品を見て、はたしてこれは写真なのだろうか?それともまさか水彩画?と思ったことがきっかけで、それを確かめるには見に行くしかないと。


会場で迎えてくれたのは、青と白の世界でした。

その中で浮かび上がるのは北米最高峰「デナリ」。

かつては「マッキンリー」とも呼ばれていて、登山家の植村直己さんが消息を絶った山でもあります。

(2015年に呼称を「デナリ」に統一したようです)

その最終キャンプから登頂までの風景などの写真を展示していました。


ギャラリーにいらっしゃったスタッフの方に教えていただいたのですが、私が見た作品は写真の古典技法である「サイアノタイプ(青写真)」によって作成されたものでした。

薬品を塗ったコットン紙の上にネガを重ねて(太陽光で)露光させると、光のあたった部分が青く発色して像が浮かび上がるそうなのですが、写真の縁が絵筆を使ったようにかすれているのは、薬品を筆で塗ったときの跡がそのまま生かされているからだったのです。


また、3階に展示されていた書籍のうち、見開きで置かれていた石川直樹さんによる「地上に星座をつくる」というエッセイで、サイアノタイプとの出会いと試行錯誤について触れられていました。


会場にはサイアノタイプだけでなく通常プリントされた写真も数点ありましたが、全体のトーンが統一されているせいか違和感もなく、それらが混在することで通常プリントの写真は目で見た光景、水彩画のようなサイアノタイプの写真は頭の中での回想シーンのようにも思えてくるのでした。


ギャラリーの4階にはデナリの最終キャンプから登頂するまでを10分にまとめた映像もあり、それを見たあとに改めて展示作品を見ると、石川直樹さんのデナリでの記憶を追体験しているような気持ちになれるかもしれません。

会場のギャラリーは3階から4階へは吹き抜けになっていて大きな窓があり、今回の展示作品と合っている雰囲気でした。


■石川直樹「DENALI IN THE MIDNIGHT SUN」

会期:2022年2月6日~2022年2月20日

会場:MA2 Gallery

http://www.ma2gallery.com

休館日:月、火

観覧料:無料

展覧会URL:https://artsticker.app/share/events/1066



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