没後50年 生誕120年 奥村厚一 光の風景画家展
京都市京セラ美術館|京都府
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東西の混乱
今回この展覧会に行きたくなったのは、去年名古屋市美術館で開催されていた福田美蘭展で、「美南見十二候 九月」を見たからであった。日本の絵画ではあまり描かれなかった陰影を元ネタの浮世絵から強調した作品で、日本と西洋の光の描き方の違いに気づかされた面白い絵だった。「光の風景画家」、「モネのように光に魅せられた日本画家がいた」という今回の展覧会の惹句から、日本画と光の表現がどのように組み合わされているんだろうと楽しみに訪問した。
訪問した結果、かなり混乱することとなった。見た感想は、日本画っぽくないなぁという感じだった。全体的に光が溢れているような彩度の高い色合いとか(日本画は全体的にくすんだ色合いのイメージがある。それは経年による色調の変化もあると思うが)、構図とか(山は日本画ではよく描かれるが、遠景から山全体を描くのが日本画という感じで、奥村の「夕光」のような、中心にデカデカと山を描く絵は日本画っぽくない感じがした。また、「赤松の林」のような、木々が奥行きのあるように描かれているものも日本画らしくない)がそう感じた。その日本画っぽくない絵が掛け軸や屏風に仕立てられていて、混乱してしまった。しかし、その絵が額に入れられていると西洋画と言えるのかというと、それも違和感があって、日本画を日本画たらしめているものが何なのか分からなくなった。
もっとも、緑や青の色の美しさは日本画ならではだった。海や樹々の絵の具がキラキラ輝くのが美しく、特に「樹海」という絵では、ザラメが表面に浮いているくらいに絵の具が白く浮き出してキラキラしていた。
以上、日本画がよく分からなくなってしまった展覧会だったが、今年行った福田平八郎展(大阪中之島美術館)で掲げられていた福田のコメントに(NHK日曜美術館の福田平八郎特集だったかもしれない)、「日本画と西洋画の違いは画材の違いだけではない」、「日本画の精神というものがある」(うろおぼえ)みたいなものがあったような気がしたので、もっと日本画を鑑賞して、西洋の画材や技法を取り入れても西洋画ではない、日本画というものを捉えていければいいなと思った。
京セラ美術館の展覧会に来たのは3回目だが、いずれも撮影OKで毎回助かっている。また、絵画によってはかなり近づいての鑑賞も可能で、色鉛筆画の筆致を間近で観察できたのがありがたかった。
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