特別展「超・色鉛筆アート展~神ワザ12人の彩りスタイル」
神戸ファッション美術館|兵庫県
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12人のバズれる絵描き
色鉛筆アート、流行ってるんですかね。
TV番組でも芸能人がプロ級の腕を奮ってらっしゃるし、この展覧会のショップで、指南本が多数販売されてるのを見て、納得してしまった。
身近な画材で誰でも描けるってのが、何よりも人気の要因なんでしょう。で、腕達者なかたはそれをSNSにUPして喝采を浴びる。
当展の紹介文読むと、まさに「バズった」12人の精鋭さんを集めたそう。
開幕初日にやって来た。ポートアイランドには割とよく来るし、来たら神戸市立の3館、小磯記念美術館、ゆかりの美術館、ファッション美術館の企画展は全部見たいもの。
が、なかなか3館揃ってのフェイバリット企画は同時にはやってない。今回も、ゆかりが休み、小磯は少女漫画展だったので、色鉛筆だけにした。
12人の作家さん(余業で描いてる人も)がたの作品は、どれも個性があって感心しきり。
原画を初めて見た感想はただ一つ。「ほんとにこれは色鉛筆画なの?」
それほど、色鉛筆を感じさせない素晴らしい絵だ。まあ、中には色鉛筆だとすぐわかるのもありますが(笑)
あるいは、色鉛筆で描いたものだけど、展示してあるのは印刷じゃないの?というものも。
(真偽は定かじゃありませんが、パネルに貼ってあるやつはちと疑問)
各作家さんがモチーフとされるものは、風景、静物、動物、植物、昆虫といろいろあるが、色鉛筆細密画の本領発揮は食べ物だ。
作家名で言えば、ぼんぼんさんとみやかわさん。絵を見て「美味しそう」と感じることに関しては、色鉛筆は油絵や水彩画の上をいくのではなかろうか。
ちなみに私はみやかわさんの絵が好きです。なぜなら、使ってる色鉛筆が三菱だから(笑)
他のかたはファーバーカステルとかベステックとかホルベインとか舶来品なのに、国産はみやかわさんだけ。好感度大です(笑)
なお、お二人の食べ物画コーナーにはスマホ画面で見ると3D画像になるアトラクション展示もあり。
さて、当展での私の「推し」は音海はるさん。はっきり申し上げて、他の11人とは比較にならない。この人一択で見に来る価値あり。
上手いとか、すごいとか、アンビリーバブルとかを超越したとんでもないリアル画だ。メインビジュアルにある猫を描いたかたで、会場で現物見たらぶっ飛びます。
このかたは片方の目を失明されているとのことで、それを知って作品を見れば絵画界のベートーベンじゃないかと思えてくる。
音海作品はホキ美術館が購入すると思う。(すでにある?)
ホキの超写実画は、そばに寄ると油絵だとわかって驚くのだが、音海作品はそばに寄っても色鉛筆画だとはわからないのに驚愕する。
虎を描いた《睨む》は、その最高傑作でしょう。
ともあれ、こんな超プロフェッショナルな色鉛筆画はさておいて、自分もやってみようかなと思ってる人もたくさんいそう。
そのお手本となる作品が見たければ、当展はうってつけ。巡回展もあるので、お近くに来たら是非。
神戸ファッション美術館は、企画展の最後に常設展示室を必ず通って出るようになってて、ドレスや服飾、テキスタイル等の展示がなされています。
が、今回初めて「絵」が出てるのに遭遇しました。1910~20年代のフランスファッション誌に掲載されたモード画で、「ポショワール」という技法を用いた彩色版画です。
当時の女性ファッションが色鮮やかに描かれた挿絵なんだけど、今でもパリコレに出てきそうなドレスがズラリ。
その展示数も多くて、一つ一つ全部見るには長時間要します。ファッション好きなかたは、この鑑賞時間も配慮しておいてください。