パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックから ドローネー、シャガールへ
京都市京セラ美術館|京都府
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画家達の貪欲
キュビスムは「西洋美術」だと思っており、セザンヌからキュビスムへという流れは予習していたが、アフリカ美術が影響を与えていたとは知らず、様々な美術作品から吸収した画家達の貪欲さを感じた。また、セザンヌ→キュビスムという直線的な流れではなく、アメーバのように様々な運動や画家と繋がっていくさまが実感できた。未来派、モディリアーニなど、キュビスムと繋がる他の画家の作品ももっと見てみたくなった。
広い会場を活かしたたっぷりした展示数だったが、一つ一つ興味深く見て行けた。キュビスムは従来の遠近法を逸脱した絵画ということである。よって、奥行きがあって画面に入り込んでしまうというわけではないのだが吸い寄せられるようにまじまじと見入ってしまった。キューブの輪郭と地の色はどちらが先に描き込まれたのか気になったし、また絵画には厚紙、砂、おが屑が使われ、パピエ・コレもあり、それらの様子も観察したくなった。様々な画材や技法からは、画家達がいかに対象を表現するか、もがくさまが感じられた。というわけで、前に引かれたラインを超えて絵画に身を乗り出してしまい、係の人に申し訳無さそうにやんわりと注意された。申し訳なかった。
会場は一部を除き撮影可で、いつものごとく撮り回った。しかし、写真で写し取れるのは何が描いてあるかという「絵柄」だけであり、油絵の具が盛り上がった筆跡や絵の具がキラキラ光るさま、厚紙の浮き上がった感じ、おが屑のザラザラ感は写真には反映されず、これは今目で楽しむしかないなと思った。画集やネットの画像ではわからない美術館の醍醐味がわかってきた。
以上のように、画家達の欲望を感じ、私達の欲望が喚起される展覧会だった。もちろん展示室を出たあとにあるグッズコーナーでは大量購入した。お菓子が多かったのが嬉しかった。
最後に同行者曰く、今までで一番わけのわからない展覧会だったそうだが、それでも感想を教えてくれた。以下、同行者の感想。曲線で描くよりも直線で描かれた方が解釈の自由度を感じたらしい。曲線で描かれると、「ああ、「コレ」を描いているのか」と、描かれているモノの解釈が限定されるが、直線で描かれていると、「いや、違うモノかもしれないな」と考えてしまうそうである。ギター、ヴァイオリンがよくモチーフに使われていたのも、曲線の多い楽器を直線で表現する興味があったのではないか、と言っていた。また、人間の身体は曲線で構成されているが(本人は立体構造の洋服、平面構造の着物の例えを使っていたが)、曲線の人間に無理やり直線をあてがって表現するところに暴力性、苦しさを感じたということだった。直線と曲線を比較すると光の反射の違いなど、その違いは他にもありそうだなと思った。
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