開館60周年記念 小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ
京都国立近代美術館|京都府
開催期間: ~
- VIEW479
- THANKS4
全く知らなかった”ファイバーアート”とそのパイオニア”小林正和”
新年早々、大きな震災があって、神戸の震災を近くで体験した者にとって、30年近く過ぎてもあの記憶は甦り、被災者の方々が少しでも安全安心して過ごせるようにと願っています。
今年も連休が過ぎての始動です。友の会にも入っているので、京セラ美と併せて出かけようとは思っておりましたが、本展の展示作業メイキング動画と初日に開催された担当学芸員池田祐子さんによる講演会をYouTubeで視聴してこれは観たいと思いました。(それぞれのYouTubeアドレスは本展のHPにあります。)
「ファイバーアート?」ファイバーと言うことからイメージしたのは、実際には国際美所蔵の作品しかお目にかかったことがない塩田千春さん?彼女は現代美術家。(ちなみにこの秋に大阪中之島美で展覧会があるのでとても楽しみにしています)テキスタイルとタペストリーの展覧会ということから京近美で昨年コレクション展の「リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」が思い浮かびましたが。
どちらとも全く違ったファイバーによる大型立体造形、インスタレーションとでもいうのでしょうか。しかし、それは確かに1本の糸を紡ぐことから始まっていました。
京都国立近代美術館は。創立60周年を迎えて今年度は60年を振り返る展覧会を開催してきました。そこで感じたのは。京近美はやはり出発点は伝統的な工芸であり、その枠から発展?解放?されて造形そのものが「芸術品」として展開していく先を見てきた、展示してきたのではないでしょうか。7代清水六兵衞 (九兵衞)のパブリックアートや八木一夫などの走泥社など、陶芸や染色や織物が手仕事から「芸術品」となった途端に私の前に「あっらー????」が湧きあがって来たのでした。
しかし、本展にある小林正和という作家さんを全く知らなかったこともあり、これまでの私の内にある壁をとっぱらって展示室へ。
糸(ファイバー)から出来上がった大型立体造形、インスタレーションは、柔軟、柔らかさもありながら絹糸など色彩も豊かで美しいんですね。幾重に層を重ね、織りなすことから生まれる美しさもあり、離れて見て、間近で見て写真に収めました。(※写真全てOKです)間近で撮った画像に糸、ファイバー1本、1本が写り、織ったり、垂らしたり、張ったり、緩めたりが自由で、他の素材との組み合わせもあって可変性が大きく、造形の可能性が限りなく広がる様にも感じました。作品の下絵やデザイン画など関係資料展示もあり、その発想や造形になるまでの過程の一端も知る事が出来き興味深く覗き込みました。確かに、京都に川島織物や龍村美術織物が存在するのも大きいですね。
[※川島織物セルコンさんには「川島織物文化館」(要予約)もあるので、ご興味のある方はどうぞ。]
全く知らない世界でしたが、その分一層とても興味深く見、知ることが出来ました。
みどころ(プレスリリースより)
1. 日本を代表するファイバーアーティスト小林正和の初の回顧展
2. 重力の「糸」と張力の「糸」、そこから生まれる自然
3. マルチタレントで自由な小林正和:川島織物でファブリック・デザインに従事し、ファイバーアート専門のギャラリー「ギャラリーギャラリー」を持って自他の発表の場とし、大学で後進の指導もしました。
4. 1970年代から90年代にかけて京都に発したファイバーアートの動向を振り返り、現在作家の新作も展示し、未来をも展望します。
お向かいの京セラ美のコレクション展にもファイバーアート作品も展示されています。また、祇園花見小路にある画廊「祇をん 小西」さんで「上野真知子」個展も開催中でした。(1/14まで)
ファイバーアートという分野のこれまでの流れやアートの潮流との関係にも言及されている、先にご紹介した京近美のYouTubeを視聴してお出かけになることをお薦めします。
- 4
- BY morinousagisan