特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」
東京国立博物館|東京都
開催期間: ~
- VIEW659
- THANKS4
メヒコ万歳!Viva Méjico.
もの凄く混んでるという前評判だったので、夕方の閉館1時間前に到着。空いてましたw
南米の古代文明大好きな私にはマヤ・アステカ・テオティワカンという代表的な3つの文明まるっと紹介する本展は満漢全席な気分。
しかし人出を気にして鑑賞時間1時間では時間が足りず、最後のグッズほぼノータッチになってしまったのが痛恨でした。
本展は特に会場レイアウトが素敵でした。
第一展示室は密林イメージの濃い暗い緑色。
ジャガーや猿、梟の容器の後ろはジャングル背景で現実の環境をを想起させます。
映像と実物サイズピラミッドをイメージした背景を使用したことで、ピラミッドの一部である神獣石像から実際のサイズ感が分かりやすいです。
第二展示室は祭祀と古代メキシコ特有の血の犠牲を思わせる暗い赤色。
こちらは生活道具もあって、当時の暮らしについても紹介。
カカオを飲んでいた容器やお皿には薄茶地に濃い顔料や、翡翠、半貴石のモザイクなど、色鮮やかな彩色がされていてデザインの美しさが際立ちます。
本展のメインの1つ、パレンケ朝のパカル王妃と言われる「赤の女王」は、真っ赤な照明背景の安置スタイルで展示。
1994年の発見当時石棺の中も真っ赤な水銀朱に覆われていた再現でしょうが、赤地に暗緑色の孔雀石(マラカイト)マスクが厳粛かつ美しいです
想像よりだいぶ華奢です。アジア、南米はおおよそつい最近までけっこう皆様小柄ですよね。マスクサイズみても凄い小顔。
祭祀についての展示では、火鉢や香炉など、火を使った道具が多くて初お目見え展示も多くて面白いです。
香炉はトーテムポールのように、いくつかの神聖な象徴をギュウギュウにあれもこれもと詰め込んだ感があります。高さも70cmくらいあってかなり大きいです。
ぎっしりの紋様、象徴化された動植物は、どことなく古代中国の紋様だらけな青銅器を思わせます。
憧れの古代マヤ文字の石碑展示もいくつかあって、動物や人、昆虫みたいなデフォルメ絵が組み込まれた丸みをおびた文字が可愛いです。
全然読めませんが(笑)。マヤ文字の解読は進んでいますが、現実には失った言語、民族の象徴である文字の消失は惜しくなります。
しかし綺麗に磨かれた祭祀の生贄台を見ていると、愛らしい文字とは真逆の容赦無い宗教観による生命の断絶に少々うすら寒くもなりました。
古代メキシコの死生観というか、独自の世界観に根付いた祭祀の数々。
勝負事の敗者をあっさり生贄にしたり、天候不順があればセノーテの泉のように人柱を捧げたりと、『死』が生活に近すぎるというか。
現在と全く異なる古代メキシコ文明の異質さは強烈で鮮烈で、それが文字通りの魅力なんだと思います。
ちなみに展示会場出てから気付きましたが、赤と緑って、メキシコ国旗カラー。
3色の真ん中・白地に蛇を咥えた鷲がサボテンの上にとまっている独特デザインが格好良くてちょっと羨ましい。。。猛禽類ファンなので。
この鷲、かつてアステカ帝国の首都「テノチティトラン(現在のメキシコシティ)」を建設した際に
「蛇をくわえた鷲がサボテンにとまっている水の地に新しい都を築くように」という神託があったのが由来とか。
こまかい神託のハードルの高さに、受けるのが私なら「いや、ムリです」と即答だなとは思いましたが。
でも200年近く探してさ迷って、神託通りの湖(水の地)を見つけて中央の島を広げて首都を建設したのだから信仰のパワーは凄い。
古代アステカ帝国が失われてスペインの植民地支配を受け、ようやくの独立に国家の礎として、国旗に古代アステカ神話を象徴に組み込んだメキシコ。
文字も言語も失ってしまいましたが、それでも強烈な民族文明が国の象徴として、現在にも続いてるんだと思います。
蛇足ですが閉館ギリギリでグッズは諦めざるを得なかったので、せめてガチャだけチャレンジ!
ハズレとは思いたくなく、でも好みでもない、ビミョーな結果でした。
展覧会の巡回は次回10月から九州だそうです。
関西は大阪で来年の3月から。お近くの方、乞うご期待。
- THANKS!をクリックしたユーザー
- さいさん、micco3216さん、黒豆さん、morinousagisanさん