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特別展「恐竜博2023」

特別展「恐竜博2023」

国立科学博物館|東京都

開催期間:

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新説・新種・学説チェンジもどんとこい『恐竜博2023』

夏じゃないのに突き刺さる紫外線の中、ようやく取れた休日の予約枠で科博の【恐竜博2023】を訪問しました!!
・・・・・・待ちかねました、リアルジュラシックワールド。
恐竜って子供の多くが大好きですけど、私のような成人女性も愛を叫んでるんです。ひっそりと。
そんな成人婦女、鑑賞前から後までアドレナリンの快進撃が止まらないままレポートします!!

会場入口には今回の展示目玉、鎧竜の影絵がタイトル看板から鑑賞者を誘うようにゆっくり歩き出し、導かれるように薄暗い会場内へ。
客層は多分7割ファミリーで、子供の歓声が時折聞こえて賑やかですね。
5部構成の内容については展示作品全て個別ピックアップ紹介したいのですが、1万字軽く超えるので【進化】をポイントにご紹介。


●第1章:装盾類の進化【トカゲじゃなくてトリでした】←勝手な副題。

目にとまるのは、恐竜の進化の図式パネル。
下から1本の樹のように枝分かれて進化する恐竜が、上に行くほど種類を増やしています。
注目は進化の最終形態、一番上の枝部分にスポットライトで白く光る小鳥。
長めの嘴くちばしが特徴的なシルエットは、清流を好んで棲む別名”碧い宝石”翡翠カワセミです。
かつて恐竜というのはトカゲ・ヘビの爬虫類の先祖と思われていましたが、研究の進んだ現在では鳥のご先祖が恐竜であるのが定説。
世代の教育ギャップを象徴するかのように、子供たちが手にしているガイドの復元恐竜のイラストは色鮮やかな羽根もある上にモフモフです。
私が読んだ図鑑の恐竜たちって茶色とかセメントカラーというか、今お庭に出没するトカゲと共通のアースカラーだったんですけどね。。。
学説や常識は常にアップデートされていて、解説パネルを読んで感心しつつも、自分の知識に若干のおいてけぼり感も感じずにはいられません。
微妙な感傷は置いておき、展示ではこの恐竜→鳥類という説の裏付けにおいても未だ根拠不十分な部分もあると問題点も丁寧に解説されていて、研究の現状がとてもよく伝わります。
第2章の鎧竜ズールの前知識的な解説にも期待が高まりますが、現在の学説や定義の解説が1章の注目点ですね。今後の展示内容にも繋がります。

●第2章:鎧竜ズールのすべて【日本初公開✿リアルガメラ】
今回のメイン展示の1つ、全身実物化石が日本初公開となったアンキロサウルス類の鎧竜・ズール・クルリヴァスタトル。
頭から尻尾までの全身が、岩ごと横たわっています。全身で見つかるのは本当に珍しいので、ガン見一択。
本当に近くから見ることができます、眼福!
その外見を例えるなら5メートルを超えたミドリガメ。縁日に水槽に浮かんで泳いでるミドリガメを100倍にして甲羅をゴツくしてタケノコサイズのトゲを生やして、尻尾長くして先端はドリアンみないなトゲつきの瘤に進化させればズールになりそうです。
復元イメージ図によると顔から尻尾までトゲトゲして、尾の先っぽはぷっくり膨らんでハンマーみたいに硬そう。。。。
鎧竜は、ズールのように背中にトゲトゲだったり、ボコボコの瘤みたいなものや団扇ウチワか!?と思えるヒレみたいな骨の板を纏っていたりと多彩な進化を遂げ、研究は常に更新中。
こんなガメラのような生物が過去現実に地球に実在していたんですから本当に不思議ですよね。現実はファンタジーを軽く超えるわとつくづく思います。
後ろにはズールとティラノサウルス近縁種、ゴルゴサウルスの化石がガチンコで戦う展示。極短の闘争4K映像付きで。
なぜ闘争ポーズかというと、発掘されたゴルゴサウルスの脚の脛部分に大ケガの痕が残っており、その近くに鎧竜の尻尾部分(武器)化石が見つかったからです。おそらく映像のようにズールはトゲ付きハンマーの尻尾を振り回して敵恐竜と闘ったのでしょう。カッコいい。。。。
ティラノ系のゴルゴサウルスに骨折レベルのケガを負わせた経緯から名前のクルリヴァスタトル=ラテン語の『脛を破壊する者』という名前が付けられました。
-----ついでに『ズール』は80年代のハリウッド映画『ゴーストバスターズ』に登場する番犬「門の神ズール」からだそう。顔が似てるんだとか。

貴重な化石にハリウッド映画から名付けしちゃってよいのか?

とも思いますが、日本の由緒正しき怪獣『ゴジラ』ファンの古生物学者も『ゴジラサウルス』という命名をしれっとしてるので問題無いようです。
もし命名する学者さんが日本アニメファンならポケモンの命名も今後ありえそうですねw

●第3章:北半休における獣脚類の進化【やっぱりティラノ!でも主役は学説更新の新星チーロ!】

1番目立つのはやはり10メートル以上の肉食恐竜2体並んでのツートップ。
1本がこぶしサイズの牙がズラリと並んだ巨大な頭、見上げて距離を取らないと全長がカメラに収まらない・・・ザ・恐竜な姿を撮り鉄のごとく撮影する鑑賞者多数です。
特別展の開幕直前に展示発表された、世界初公開の「タイソン」と現状世界最大サイズのティラノ「スコッティ」。
「タイソン」は某伝説的ボクサーを彷彿として、いかにも相応しい。。。が、もう1体の「スコッティ」って。。。。
日本人にはエリ●ールとか、薬局やスーパーで売ってる白い生活必需品に連想がいってしまいますが、命名由来は発掘&同定チームをスコッチ・ウィスキーでお祝いしたからだとか。なんだか楽しい雰囲気です。

そんな主張激しい肉食恐竜の向かい壁に展示されているのが、化石界の至宝ともいえるスキピオニクスという小型恐竜の赤ちゃん化石「チーロ」です。
大きさは40センチほどで、なんだかエビ反りの姿勢は頭の大きなチャボのよう。本当に恐竜かと疑ってしまいそうです。
「チーロ」はイタリア南部の小さな男の子への典型的な呼び名で、正式な名付け前に呼んだのが定着したのだとか。ちょっと微笑ましい。。。
しかしこの小さな化石、「奇跡の赤ちゃん(恐竜)」として恐竜世界で【超】有名で、発見地イタリアでは国宝レベルの扱い!
『奇跡』の所以は普通なら残らない内臓組織まで化石で残っているからです。本当に奇跡!!
気管支や食道、筋肉組織、腸まできれいに化石化していて、胃の中には食べたトカゲや魚類の骨まで確認できたのです。
そんな奇跡の化石は世界でも唯一無二で、その世界遺産レベルの貴重さが伺えます。
1980年に発見されて以来、イタリア国外に持ち出されるのは今回が初めて。
ズールと言いタイソンと言い、初めてがあり過ぎですね(笑)バーゲンのよう。
しかもこの「チーロ」には1980年の発見から恐竜としての化石認定までに、プチドラマがありました。
イタリアは長らく、恐竜の化石が見つからずに存在しない土地と考えられてきたので、「チーロ」の発見者も恐竜化石とは思わず、自宅に持ち帰ってちょっと忘れていたそう。
そして10年以上経った1993年、家族で見に行ったハリウッド映画「ジュラシック・パーク」に登場する、軽快に飛び跳ねる肉食恐竜達を眺めて、

あれ?自宅にある化石と形似てるんじゃないか?

と気がつき、北イタリアのミラノ市立自然史博物館に連絡。
内臓組織まで化石化した唯一の恐竜化石と判明し、学会に大激震が走ったのです。
恐竜映画をきっかけに恐竜判明とは・・・事実は小説より奇なりというか、発見ストーリーのドキュメンタリー見たくなります。
このチーロのおかげで、恐竜の体組織や内臓の位置、働きなど貴重なデータから研究も大躍進しています。凄いんですチーロ。

●第4章:南半球における獣脚類の進化(去年発見した新種のお目見え)
メインは国立科学博物館副館長の真鍋真先生の調査隊によって、2020年にアルゼンチンで発掘され、去年新種認定された肉食恐竜、マイプ・マクロソラックス。推定全長9mでメガラプトル類の中で最大級と考えられるマイプも世界初!展示です。
外見はティラノをひと回り小さくスリムにした感じです。牙もティラノより細長くてよく噛めそう。
この発見により、北半球は王者ティラノサウルスのタイプが隆盛し、南半球ではメガラプトル類が繁栄した可能性が高くなったのだとか。
ちなみに2種の違いは、見た目の前足が顕著なポイント。
ティラノは今も謎なくらい前脚が身体に対して異様に華奢で、使う意味ある?というくらい小さい。
一方のマイプは物を掴める長い鉤爪付きの伸びた前脚で、近年はその前脚に羽毛付きな種類も多く派生して、鳥進化への前段階とも目されています。

●第5章:絶滅の最新研究(全滅したけど多分残ってます)
最後の章は恐竜研究の最大のテーマである絶滅についての、最新の見解の展示です。
かつての学説では、メキシコの端っこくらいの位置に巨大な隕石が衝突して、その衝撃と天変地異、気候の急激な寒冷化であっさり変温動物の爬虫類に近しい恐竜は全滅したという説が有力でした。
しかし鳥への進化も始まっていたくらいモフモフ羽毛もあった恐竜がいきなり全滅はしないのでは?
という一部の恐竜→鳥類進化説が唱えられていて、今後もこうご期待!な解説になっています。
リアル再現し過ぎなくらいの恐竜達の暮らしぶりが映像化されていて、大変イメージしやすいですね。
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新発見があればあるだけ判ること、気付くことが増えてそれまでの学説がひっくり返ったり改定したりと進展著しい恐竜世界。
会場出口にはスミソニアン博物館館長のカッコ良すぎるメッセージプレートで締められて、テンション上がりっぱなしに鑑賞を終えました。
古生物学者の小林先生も以前仰っていましたが『恐竜は常に新発見があって、どれほど考察を重ねて導いた学説も、新事実ですぐ覆される。
 そして覆った先をまた考える。それが面白い』
という意見は、そのまま恐竜学術世界を表していると思います。柔軟に、大胆に発見に基づいた新説が次々に湧いてくるジュラシックワールド。
その変化を愛でずにはいられません。
7月からは大阪に巡回します。機会があれば訪問大推奨です。

◆恐竜博2023大阪会場
・2023年7月7日(金)~9月24日(日)
・大阪市立自然史博物館 (大阪・長居公園)
 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)
・お問い合わせ:大阪市総合コールセンター(なにわコール)
 TEL:06- 4301-7285 FAX:06-6373-3302
 受付時間:午前8時から午後9時(年中無休)

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micco3216さん、morinousagisanさん、さいさん、Sukekiyo-Acckermanさん

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