特別展「東福寺」
京都国立博物館|京都府
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「五百羅漢図」は羅漢さんたちの日常生活風景
後期展示は、一目散に2階の明兆へ。展覧会の主旨は東福寺の全体像を伝えることにあるとは思うのですが、私にとっては
兎に角、観たい!「蝦蟇鉄拐図」達磨図よりもこちらが観たかったです。
雪村も描いていますよね「蝦蟇鉄拐」しかし、大きさも相まってもの迫力はなんなんだ!
自分の魂を吐き出す李鉄拐と白い蝦蟇を背負う蝦蟇仙人。
青紅葉の時期に東福寺で観た「涅槃図」も描表装で、明兆は描表装と説明されていたはずと、これもひょっとして表装は描いてあるのか?と目を凝らして見るもウーンって感じでしたが、「蝦蟇鉄拐図」は、巨大な頂相「円爾像」と同じ表装で、東福寺で円爾の命日をまつる開山忌に用いられたものでコチラの三幅対だったようですね。
次に見たかったのは、西宮大谷記念でも観た三十三観音図の元絵の明兆の三十三観音図と江戸時代に補作された山雪の三十三観音図、そういうふうに見えるのか?先入観があるのか?明兆の三十三観音図が柔らかく美しい。三十三に変化する観音様、お手本ですね。
「五百羅漢図」改めて見ていると、これっ禅寺東福寺の中での僧侶たちの日常生活なのではないだろうか?と思えてくる。10人の羅漢さんを50幅描く、描く場面は決まっていなかったようですが、これまで描かれてきたモノで明兆も学び自分の創意工夫も入れ込んで描いたのであろう。特に大徳寺に伝わる(一部はボストン美所蔵)「五百羅漢図」(5人ずつ100幅)を参考にしたであろうと言うことでした。
来春京博では「雪舟伝説」展が開催されるが、画聖として日本の絵師として、雪舟、永徳、北斎が有名だった!今は江戸期の絵師、若冲や応挙などが人気ですけれど。
明兆の「達磨図」を雪舟は絶対見ていたよねと確信しました。雪舟は初め東福寺にはいってから相国寺へ移り、本格的に画僧として絵を描き始める。明兆と雪舟の人生が重なることはないが、東福寺で伝説の明兆を観ていない訳がない!では、明兆はどの様に画を学んだのかは、それらしき画僧や絵師はいるがはっきりしていないそうです。大陸から将来されたモノだけを学んでここまで描けるでしょうか。この明兆の五百羅漢図(その模写の模写とかを)をも参考にして幕末の狩野一信も時代を反映して陰影表現も入れ込みながら描いたのではないでしょうか。
2回目の本展、ドデカイ二天王像を見上げながらも、お目当ては涅槃図でいつも泣き崩れる色白なハンサムボーイの阿難立像を見上げてきました。
こう観光客が多くては京都も足が遠のきますよね。しかし、意外にといいますか、残念なことにちょっと空いてます。そして紅葉はここ1週間ぐらいが一番の見ごろになるかと。思いがけない穴場が「京都国立博物館」の「茶室」です。昨年旧館の上の方まで上がってだーれも居ない茶室を見学しました。是非旧館の上の方まで散策してみてください。
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- BY morinousagisan