Ukiyo-e猫百科 ごろごろまるまるネコづくし
美術館「えき」KYOTO|京都府
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ネコの生態
伊勢丹のエスカレーターは建物の真ん中をブチ抜いた滝のように見える。流れで一番上まで行かないように気を付けて7階で降りる。
入館するとちょうどギャラリートークをやっていた。せっかくなので聞いていくことにする。人生初ギャラリートークは、なし崩し的参加。
今回の展覧会の特徴はネコの生物的な習性を詳しく伝えているところ。ネコはごろごろ寝てばかりいて気楽なもんだと思っていたが、それは狩りに備えたエネルギー温存のためだった。ごめん。他にも怒ったときに耳の形が変わるとか、オス猫とメス猫では顔の形が違うとか(オス猫は大人になると頬や鼻の下の肉が大きく発達する。しかし去勢すると子猫のようにすらっとした顔になる。だから現代では顔がむくむくしたオス猫は野良猫くらいらしい)、身体が柔らかいのは人間より骨の数が多いためでネコのヒゲの間くらいの隙間があったら通り抜けられるとか、初めて知る情報ばかりであった。
そして絵師たちはそのネコの特徴をよく観察して描いていた。それは、江戸時代の人たちも現代人と同じでネコが好きだったのね、と単純に片付けられる話ではない。不衛生だったり生き物として危険だったりと、ネコは当時の人にとってかわいいだけの存在ではなかった。だからこそネコを猫可愛がりしていた歌川国芳という存在の特異さが光る(レジェンド国芳のキャプションは入り口入って真ん前に掲げてある)。
という感じで、学芸員さんにはネコの生態や江戸時代風俗をめぐる解説をしていただいてとても面白かった。当たり前のことだが学芸員さんはこの展覧会に一番詳しい人なので何でも知っていた。こうやって学芸員さんのお話を聞くと、そのすごさとか大変さとかが伝わってくる(今回「いろは」の頭文字順でミニコラムが掲げられている。これは考えるの大変だっただろうなと思った)。ギャラリートーク、参加するもんだな。
ネコも人間と同じだ、江戸時代の人も現代の私たちと同じだ、という視点も親近感が湧いて大切なものだが、そればかりだと見誤るものがある。動物と付き合っていくためにはまず人間とは異なる生物的な特徴を知る必要があるし、浮世絵を知るためには当時の風俗を知る必要があるんだとわかった。
月岡芳年「風俗三十二相 うるささう」、女の子がネコに頬ずりしてネコがうるさそうにしている絵だと思っていたが(今回の美人画はネコが一緒だからか女性の表情が生き生きしていたり緩んだりしていて柔らかく感じた)、学芸員さんによるとネコは笑っていて満更でもなく感じているらしい。ネコわからん。
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