「もーやんのオープンアトリエ」~アーティスト・元永定正と表現の場をひらくアートプロジェクト
宝塚市立文化芸術センター|兵庫県
開催期間: ~
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具体の年
今年はゴッホイヤーなのに、ゴッホはまだ1枚しか見ていない(ハワイで見た「麦畑」)。代わりに具体美術協会の展覧会ばっか行ってる。具体イヤー。今回も宝塚市立文化芸術センターで元永定正の展示があるということで、もちろん正装(元永定正Tシャツ)で行った。頭は寝癖と湿気でVaundyみたいだったけど。
というわけで、ガチガチに肩に力を入れまくって訪問したわけだが、会場に足を踏み入れると違うな、ってわかった。入場料1,000円。それで期間中何回でも入場できる。受付で好きな色の紙を渡された。
会場に入ると絵の前に椅子が置いてある。中村佑介の時と違って、壁を取り払った開放的な空間(むしろこの空間によくあれだけのぐねぐねの通路を作ってあれだけの絵を展示できたなと思う)。絵は全部版画作品で、元永が具体から離れてからだいぶ後の作品だった(何も調べずに来たから)。カラフルな色遣いと丸っこいフォルムの物体。それに気の抜けたタイトルが付けてある。
絵の真ん中にはテーブルがあって、元永の絵本や画集が置いてあった。椅子は宝塚市の人たちから借りてきたものらしい。なんとなく座った椅子が、座ったらぶくりと云う、恐ろしく坐り心地が好くできた椅子だった。壁には椅子の写真と貸してくれた人のコメントが貼られていて、この椅子の持ち主を探したけど見つけられなかった。
絵本は抽象的な絵と、大きいフォントでよくわからない言葉がかいてあるもので、未就学児が読むものか、と思った。が、読んでいるうちに、子どもはだんだん言葉を習得し、社会の常識の枠にはめられて成長していくわけなんだけれども、その枠がはめられる前の世界を描いている気がしてきた。それは、まだ成熟に到達していない、という世界ではなく、社会とは外れた別の世界である。
それから、言葉と音・絵は一見、意味する/意味される関係にあるようで、実はその間には無限の距離があるんだと思った。クラシック音楽にタイトルがつけてあると、音楽にそのイメージを当てはめながら鑑賞する。元永の絵本の中に、擬音と絵がセットになっているものがあったが、「これは確かにざあーだな」と納得できるものと、「いやこれはぽきんじゃないだろ」、というものがあった。いくら言葉(のイメージ)に音や絵が合致していそうでも、完全にはイコールではないのだ。抽象(形のないもの)を具体的な言葉で捉えようとしても、完全には捉えきれず、そこからすり抜けてしまうものが生まれる。しかし、シミュラクラ現象というものもあるし、人間は具体(意味づけ)とは完全に無縁でもいられない。
とか考えながら座って本を読んでいたら、男の人に話しかけられてその人が展覧会の主催者だった。椅子は好きに移動させていいし、あっちで色紙を使って工作できると教えてもらう。
ワークショップのコーナーがあって、色紙と他の豊富な材料を使って(色紙は使わなくてもよい)なにか作ることができた。家族連れに囲まれるなか完全アウェーだったが、なんとか作品を作り上げて、帰った。2時間くらいいた。
それから、ギャラリー白川の「ケージから池田亮司まで――現代アートの軌跡」を見に行った。白髪一雄の作品を一つ見れて、版画をやっていたんだと初めて知った。
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