くらしに花咲くデザイン ―大正イマジュリィの世界
アサヒグループ大山崎山荘美術館|京都府
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大山崎山荘のイマジュリィ
アサヒグループ大山崎山荘美術館は京都線沿いにあり大阪や兵庫の美術館と合わせていくのにちょうどいいんだけど、今回はメインビジュアルがよすぎてこらえきれず単独訪問してしまった。
駅から美術館まで無料送迎バスが出ているのは知っているが一度も使ったことがない。じっとバスを待つよりも身体を動かしていたい原始人的発想。今回の喫茶室の展覧会コラボスイーツはアイスらしいのでアイス欲を高めるためにも坂道を登った。
受付を済ますと、今コンサートをやっていてあと5分くらいで終わりますがよろしかったらどうぞと言われる。5分くらいならと行ってみる。いつものパルミラ饗宴図浮彫の前でアコースティックギターとクラリネットの演奏をやっていた(京都市立芸術大学の学生さんの演奏)。ふだんは電気を使う楽器とドラムがどこどこいうタイプの生演奏しか行かないので、空洞や管で響く楽器の音がいいなぁと思う。
コンサートが終わって鑑賞を始める。橋口五葉の手がけた本。夏目漱石のロマンティックな『漾虚集』の西洋っぽい絵と、江戸情緒残る永井荷風の著作の浮世絵っぽい絵で切り替えられるのが強い。思ったよりカラフルで漱石はいい本作ってもらってたんだなぁと思う。アール・ヌーヴォーから影響を受けていてビアズリーやミュシャっぽいんだけど何か違う。日本の作品の方が輪郭線が強い気がする。と思っていると、向かいの展示室、竹久夢二の繊細な輪郭線に驚かされる。
順路を間違えた。入口から右手の展示室(順路1)の次は2階に上がる。喫茶室を見ると今回のコラボスイーツはアイスとホットカルピスだと思っていたのにケーキが2種あって喫茶室に吸い込まれていった。シベリアとフルーツケーキ、両方頼みたかったけど自重してフルーツケーキを頼む。これもう1回来なきゃいけないやつだ。ドリンクとセットで頼むとコースター(全3種)をランダムで1枚もらえる。最高。
2階の順路2。富本憲吉、岸田劉生、古賀春江など知った名前の人がデザインをやっていたんだ、と驚く。
1階に戻って順路3、竹久夢二の部屋。山手館が順路4。
レコードジャケットや夢二が描いた楽譜の表紙を見ると、これはジャケ買いしちゃうよなぁと思う。シリーズものの書籍や好きなアーティストのCDだと、次はどんなジャケットデザインなんだろうというのも楽しみの一つだった(そういえば毎年同じメーカーの日記帳を買っていて、来年はどんなデザインだろうというのはささやかな楽しみだったのに、とうとうずっと使っていたやつが発行されなくなってしまった)。これは電子書籍やサブスクで聴く音楽ではあまり味わえないはず。現代でもCDを買う人はいるが、グッズとして買うのだそうだ。てなると、その曲の世界観を表現するものから、手元に置きたいものにCDジャケットは変化しているのではないか(適当)。調べてみると面白そう。
なんでこんなに大正デザインに豊かさを感じるんだろうと思ったが、考えてみると当時は描かれる対象と描く人や見る人の間に距離があった。外国は簡単に行ける場所ではなかったし、百貨店や資生堂も誰もが気軽に出入りできる場所じゃなかったんだろうと思う。情報も手軽には手に入らない。確かにエキゾチシズムには対象の実情を捉えきれないという問題もあるけれども、描く人や見る人にとって対象が距離のある世界、未知の世界であることが、あこがれを感じさせるデザインになっているんじゃないかと思う。
イマジュリィの世界に浸れて余韻も幸せな展覧会だった。また行こう。(公式サイトに出品リストが挙がっていないので、会場で紙のリストをもらったほうがよさそう)
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