没後50年 髙島野十郎展
大阪中之島美術館|大阪府
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髙島野十郎のうねうね
まず展覧会タイトルのフォントがいい。観に行きたくなっちゃう。
展示構成もよかった。イントロダクション、まとめとして始めと終わりに髙島野十郎らしい作品が置いてある。展覧会に入り込みやすく、終わりにはしみじみと会場を後にできた。
野十郎の特徴としては、まず独特の色味。全体的に暗っぽいんだけどぼんやりと明るくもあって、日中でも薄暮のようなトーン。セピア色というか野十郎独特のフィルターがかかっている感じ。その色合いがリアルで細緻な描写と噛み合って、画中の風景に対して記憶が刺激されるような既視感が生まれる。鑑賞中ずっと長い爪で脳を引っ掻かれているような感じがしていた。記憶の中では曖昧になっているんだけど、過去に見ていた時点では光景は現実に存在したものである。それらが合わさってどこかで見たことあるような気持ちになるんだと思う。
そしてもう1つ気になったのが、うねうね。りんごも木の枝も着物も波もうねうねしていた。野十郎の代名詞と言えるロウソクの火もカラスウリの蔓もうねうねしているものである。コスモスの茎を見たときには、いいうねうねを見つけたな、と思った。草間彌生の水玉作品見たときと似たような感じ。牡丹の花はさすがにうねうねしてないよなと思ったら、下に置かれたさくらんぼの茎がうね、していた。そこからうねうねが始まるような。もう野十郎と友達になっていろいろ画題を持って行きたくなった。トクサとかトラノオとか。
もちろんこれは、キャプションでたびたび触れられていたゴッホのうねるような筆致の影響があるんだと思う。が、ゴッホと違って写実描写の中にうねりがあって不思議な感じがした。写実とうねうねと言えば牧野邦夫もそうだったなと思う。2人で対談してほしかった。
最後はロウソク絵画、そして月と闇の絵画が集められた部屋。展示室が暗くされていて闇の中で絵画にだけ光が当たるように工夫されていて、これは最高の環境で見せてもらえたのではないかと思った。
髙島野十郎という人間自体が気になる展覧会だった。本当に行ってよかった。目を閉じた視界を描いた「無題」、野十郎が最期目を閉じるとき何を考えただろうと思った。
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