戦後日本画壇の風雲児 日本画家 横山操展
佐川美術館|滋賀県
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風雲児の線
よくわからないものに惹かれる。前衛とか抽象とか奇才とか異端とか風雲児とか目にするとホイホイ出かけてしまう(だから、来年2月から始まる京セラ美術館の前衛日本画展が今から楽しみでしかたがない)。そういう軽い気持ちでチケットを応募したところ当たってしまい、電車とバスを乗り継いで出かけていった。
横山の生涯がわかる展覧会だった。渡船場を描いた風景画をふーんと見ていると、徐々にボルテージが上がっていった。一般的な日本画には余り見られない題材が登場する。巨大な画面一面に描かれた網、発電所(?)、山は山でも火山(横山が訪れた時に桜島が噴火してくれてよかった)。そういった画題と画材・タッチがガッチリと親和していた。
ギラギラした岩絵具(たぶん)。東山魁夷の青・緑というイメージに対して、横山は赤・くすんだ黄色。鬱蒼と茂る樹々を描く魁夷の山に対して、横山の山は末枯れた草原か、地肌が露出しているのか。
画面は水平・垂直・斜めに太く引かれた真っ直ぐな線によって構成される。青い空をバックにした富士山の真っ直ぐな稜線を見たときは気絶するかと思った。日本という土地の空気感を表現した朦朧体とは真逆の絵画である。かと思うと、もわっとした日本の空気や雨を表現した水墨画もある(晩年の作品も日本の空気に馴染むようなものだった)。
そして、「ウォール街」。垂直に真っ直ぐ走る線は、竹ではなくビル群なのである。
日本画としては異色の画題と、ギラギラした絵の具・真っ直ぐ描かれた線のタッチの親和性が、戦後という時代を表しているように思えた。鑑賞しているうちにどんどん好きになっていく画家だった。行ってよかった。
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