奈良国立博物館開館130年記念特別展「超 国宝-祈りのかがやき-」
奈良国立博物館|奈良県
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あおによし 奈良の都の国宝展 けふ九重の人垣すさまじ
長嶋ロスで執筆意欲が湧かず抜け殻状態です。それでも「燃える男」を思い起こして頑張ります!
奈良へとやって来た5月の平日午前9時過ぎ。近鉄奈良駅から徒歩10分ぐらいで奈良博へ。お目当ての「超国宝展」は混むのわかってましたから、朝イチならよかろうと思ったのが大間違い。なんと、すでに長蛇の列じゃござんせんか!
入口から伸びた行列は200mはありましょうか。前売りチケット客でそれですからね。驚きつつ最後尾へつきました。
奈良博は10年ぐらい前に正倉院展に来て以来で、そのときも同じぐらいの長さの入場待ち列に並びました。今から行かれる方、朝イチはやめといたほうがいいですよ。
開場の9時30分から15分後ぐらいにようやく入れました。当然展示室内は大混雑。これも正倉院展と同じぐらいの激混み。人の隙間をかいくぐって見て回らねばなりません。
ここで大問題なのが、背中にリュック背負った客。会場入り口のとこで係員さんが「リュックは前に抱えるように」とアナウンスしてるんだけど、聞いてない客が多いこと。自分がどんだけ迷惑なのかわかっちゃいません。
空いてる展覧会ならまだしも常軌を逸してます。このぶんじゃ秋の正倉院展もそうなんでしょうね。
前抱えもいいけど、リュックやショルダーはコインロッカーに入れるのを強制してほしい。運営サイドはそのへんを猛省してください。
やっと本題。
国宝に「超」を付けた展覧会タイトル。どんだけスゴイのかと期待してましたが期待に違わぬ超モノスゴイ展示品の数々に圧倒されっぱなしでした。
超弩級とはこのことです。いやいや、さらにその上ですね。まさに超超弩級。
京都、奈良、大阪の大型企画展巡り、京都でスタートし翌日に奈良、大阪と回ったのですが、結論から申しますと、京都が弩級、大阪が超弩級、奈良が超超弩級です。
若い方向けに、ちょっとだけウンチクを。弩級の弩とは、戦艦ドレッドノートのことで、イギリス海軍が20世紀初頭に建造した当時世界最大の軍艦です。
その後、それをさらに上回る軍艦が続々と登場し、スーパードレッドノート級、日本語で超弩級戦艦と呼ばれたわけです。
今は、戦艦に限らずモノスゴイものに付けられる形容詞ですね。で、今回の奈良博はその超弩級の上を行く超超弩級だと思うわけです。
日本の国立博物館の御三家、東博、京博、奈良博の中で、奈良は秋の正倉院展は別格として春の特別展は他の二館に比べてやや目立たない感がありました。(昨年の空海展はホームランだったみたいですが)
今年は違います。開館130年記念展の名に恥じぬ、起死回生の150m級満塁ホーマーです。奈良博怒らせたら怖いなあ(笑)
何がスゴイか。やはり何といっても当館の十八番、仏像です。
会場入りしていきなり法隆寺の百済観音ですからね。1回表先頭打者大谷のバックスクリーンへの一発です。
法隆寺さんありがとう。よくぞお貸しくださいました。聞けば世界平和を祈念しての貸与だそうですが、本当にそうでないといけませんね。
リュックが迷惑だなんて器の小さいことで苛立ってるようじゃダメですね。
法隆寺に行ったのはもうずいぶん前で百済観音様も見ましたが、あらためて拝観するとそのプロポーションの美しいこと。こないだTVで12頭身のスポーツ選手ってのをやってましたが、まさにそれ。1周回って光背の裏まで拝まさせていただきました。
法隆寺からは広目天、多聞天、地蔵菩薩他、全部で8体の仏像がおいでになってて、すべてが通期展示。ありがたいことです。
東大寺から興福寺から薬師寺から、よくぞお出ましくださったというべき仏様がまるで全国仏像会議にご出席されたかのよう。
まあとにかく、次から次へと国宝仏像が出るわ出るわで、どれが特に良かったなんて感想は意味をなしません。全部いいんですから。
元々奈良博の見どころは、常設の「なら仏像館」だと思ってましたから、今回はそこから移動させた国宝仏に加えて全国各地の寺社仏閣のスーパースターが集結した、オールスター戦となっています。いやはや奈良博さんのインフルエンサーパワーって、ほんとにスゴイ。
仏像だけじゃないです。絵画も負けてません。涅槃図、曼荼羅、絵巻物等々、見て有難く面白いものが目白押し。
子嶋寺の《子嶋曼荼羅》は初めて見ましたが、保存状態良好で金剛界も胎蔵界も実によくわかって素晴らしい。大好きな曼荼羅となりました。
こうして曼荼羅のこと書いてると、その中心におわす大日如来は長嶋さんに思えてきます。
野球界のみならず、宇宙の中心にいてその周囲にはありとあらゆるジャンルの人々が集まってくるみたいな。
横尾さんあたりが「長嶋曼荼羅」描いてくれないかなあ。
閑話休題。
美文字で埋め尽くされた経典類も多数出展。印象的だったのが福島県龍興寺の《一字蓮台法華経》。一字一字の漢字の下に蓮の花が書いてあるもの。
お経の一字ってそれだけで意味があって有難いもんなんだと思いを新たにしました。
この蓮台文字、この後に行った大和文華館にも別のが出てました。
ところで私が行った日、会場内にスーツ姿の男性集団が目に入りました。館の要職と思える方が、特定の方に解説しながら回っておられる体。
その特定の方の周りには、ノーネクタイでスーツの前を開け、インカム装着したかたの姿も。
あ、こりゃVIPのご来館だなとピンと来て、あとで会場スタッフさんに聞いたら奈良県知事さんとのことでした。
私、国立新美で当時の内閣総理大臣さんのご来館にも遭遇した経験あり。そのときはこんなもんじゃない、ものすごい数のSPさんでした(笑)
奈良博のウルトラ国宝展、テーマが仏教系に絞ってあるので集中しやすくて見るほうにとってはいいですね。
国宝展の宿命である展示期間の限定品はあるにせよ、前期と後期でうまいぐあいに名品が割り振られているようにも思いました。
残りの10日間にも見たかったお宝はたくさんあって今からでも再訪したいぐらいです。
常設のなら仏像館も絶対に行ってください。吉野の金峯山寺から来た超巨大な金剛力士立像2体が公開中です。