4.0
滴水軒コレクションとともに
岡本秋暉、千葉市美術館8階
滴水軒コレクション、千葉市美術館7階。朝日新聞夕刊で石原孟高「犀図」が紹介されていて、やはり見に行くことにした。ヨーロッパ銅版画を元に墨で描いた洋風画。珍妙な動物や洋風画がいくつもあって、行ってよかった。
常設展、深沢幸雄特集、辰野登恵子特集、鏑木清方と日本画特集に甲斐庄楠音が出ていた。
横尾芳月「線香花火」大正期日本画がよかった。
斎藤名穂、千葉市美術館4階
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 312 の美術館・博物館と 567 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
岡本秋暉(おかもとしゅうき 1807-62)は濃厚華麗な花鳥画、とりわけ孔雀の名手として名を馳せた江戸後期の画人です。彫金家・石黒家の次男として生まれた秋暉は、南蘋派の大西圭斎に画を学び、20代から絵師として活躍していました。
一方で小田原藩・大久保家に仕える藩士としての顔も持ち、江戸中屋敷での見回り役を務めながら精力的に制作を続け、同時期に活躍した渡辺崋山(わたなべかざん)や椿椿山(つばきちんざん)らと親交を結びました。
彼が最も得意としたのは鳥の図です。懇意の小鳥店に通い写生に励んだという逸話もあるほど、鳥の描写をひたすらに研ぎ澄まし、透明感溢れる華やかな色彩と、羽の美しさを描き尽くす驚異的な技巧で江戸の人々を魅了しました。
実に18年ぶりの回顧展となる本展では、世界一の秋暉コレクションを擁する摘水軒(てきすいけん)記念文化振興財団の所蔵品を中心に、約100件の作品で、生い立ちから画業を通覧します。細緻を尽くす花鳥画から、藩主の御殿を飾った杉戸絵、小田原が誇る偉人の肖像画《二宮尊徳座像》(報徳博物館蔵)まで。その作品群からは、自らを花鳥の画家として認識して技量を磨きながら藩士としての任も果たし、さらに同時代の画家達の活動に目配りしながら中国画の摂取に努める、堅実な画人の姿が浮かび上がります。彼が生涯をかけて紡ぎ出した鮮やかな花鳥の楽園を、どうぞご堪能ください。
※「江戸絵画縦横無尽!摘水軒コレクション名品展」と同時開催
会期 |
2024年6月28日(金)~2024年8月25日(日)
|
---|---|
会場 | 千葉市美術館 Google Map |
住所 | 千葉県千葉市中央区中央3-10-8 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 |
7月1日(月)、8日(月)、29日(月)、8月5日(月) ※第1月曜日は休館日 |
観覧料 | 一般 1,400円(1,120円) 大学生 800円(640円) 小・中学生、高校生 無料
|
TEL | 043-221-2311 |
URL | https://www.ccma-net.jp/ |
4.0
岡本秋暉、千葉市美術館8階
滴水軒コレクション、千葉市美術館7階。朝日新聞夕刊で石原孟高「犀図」が紹介されていて、やはり見に行くことにした。ヨーロッパ銅版画を元に墨で描いた洋風画。珍妙な動物や洋風画がいくつもあって、行ってよかった。
常設展、深沢幸雄特集、辰野登恵子特集、鏑木清方と日本画特集に甲斐庄楠音が出ていた。
横尾芳月「線香花火」大正期日本画がよかった。
斎藤名穂、千葉市美術館4階
3.0
ちょっと前なら何を差し置いても真っ先に見に行っていた展示。
千葉はちょっと遠くて、美術館も駅から遠くて、他にも見たいものがあって、何より暑くてだいぶ後回しに。
会期終盤になってしまったけど意を決して見てきました。
やっぱりすぐに見ておけば良かったです。岡本秋暉結構良かったです。
今まで目にしていたのはピークの孔雀図だったんですね。
円熟期前の若書きや晩年の花鳥図以外の作品もありました。
孔雀図も数パターンあり岡本秋暉の気合いの入り具合の違いも分かって面白い。
18年ぶりの回顧展見られて良かったです。
5.0
ここ数年、江戸後期花鳥画の画人の展覧会が多いので、花鳥画好きとしてはうれしいところです。
岡本秋暉は、孔雀描きで有名だったそうで、さまざまなポーズの孔雀(とはいっても鶏ほどバリエーションがあるわけではない)がいます。目の保養にはもってこいです。とはいえ、同じチケットで見ることができる「江戸絵画縦横無尽!摘水軒コレクション名品展」もじっくり見るとほぼ丸一日美術館に居ることに。外は暑いので屋内でゆっくり過ごしましょう。
5.0
トレンドに左右されず、根強い人気を誇る秋暉の作品の画業を概観出来る素晴らしい展示でした。軸装作品は勿論、屏風、杉戸絵、画帖に師匠、弟子の作品まで91点。秋暉の代名詞、孔雀図も最初期の物から傑作の一つとされる個人蔵を含む8作品を展示、詳しいキャプション、パネル解説付きなのも嬉しい!1400円のチケットで同時開催の摘水軒コレクション名品展の104点の名品も観覧出来るコスパ抜群の展覧会です。
4.0
孔雀の絵の名手らしい、という程度の知識で見に行きました。たぶん、千葉市美術館で孔雀の絵は見たことがあると思うのですが、岡本秋暉がどういう方なのか知りませんでした。見終えて、岡本秋暉という画家の輪郭が見えてきたように思えます。こういった画家個人を掘り下げる展示というのは、画業以外の面も見えてきて面白い。
岡本秋暉について分かったことは
・小田原藩士で江戸中屋敷での見回り役しながら画業に勤める
・20代で渡辺崋山や崋山が師事した儒学者の佐藤一斎、椿椿山と交遊
・探検家の松浦武四郎とも親しく松浦の紀行文で挿絵を描いている
・柏村(現柏市)の名主・寺嶋家に逗留して制作している。その寺嶋家伝来の作品を管理するのが摘翠軒記念文化財団で、「世界一」の岡本秋暉コレクションを擁する。今回の展示は半分以上が摘翠軒記念文化財団の収蔵品。
といったあたりです。なかなか秋暉さんは交友範囲が広い。特に崋山とは深く交遊していたようで、崋山が蛮社の獄で処罰を受けて国許蟄居となったとき、品川まで見送ったとのこと。
展示替えあり(後期は7月30日から)、写真撮影は一部可。図録あり。同時開催で「江戸絵画縦横無尽!摘水軒コレクション名品展」もあるので、かなりお得な感じ。
5.0
めっちゃくちゃ楽しみにしていた展覧会で、期待を裏切らない内容でした!
本展の告知で知った岡本秋暉。
「花鳥画」というだけで鑑賞スケジュールに組み込むほど花鳥画好きなので、友の会に入会して複数回通うのに備えていました。
孔雀の絵が多めですが、一つとして同じポーズのものがない。
木にとまる、花と絡む、二羽で睦む…。背景に多少のデフォルメはあっても、孔雀の姿は写生なんだろうなぁと感じさせます。
孔雀の顔に可愛らしさがないのも本物らしくていいんですよ!
それにしても、どんな鳥でも上手い。
鳥の種類がとにかく多いのに、得意も苦手もなく描けているように見える。
鵜とか軍鶏とか他ではあまり見られない鳥の絵も豊富で、いつまででも見ていられる。
展示にも工夫が感じられました。
「蟠桃飛鶴図」「名花双禽図」「群鷺図」を並べたコーナーがあって、色とテイストの対比が面白いんですよ。
色ならそれぞれ「旭日の赤」「紫陽花の青」「鷺の白」、テイストなら「パンチの効いたポスター風」「正当派花鳥画」「モダンデザイン風」という具合で、三幅並べることで画家の持つさまざまな技がよくわかる。
鳥と絡めた草木も素晴らしいけれど、目を引いたのは「百花一瓶図」
あらゆる季節の花が咲いているのに調和していて、しかもその重心を担うのが「青い牡丹」というあまり見かけない珍しい花。幻想的ですよ。
人物画は数点で、ほぼ全力で鳥に振った展覧会。最低でも前・後期2回ずつは見に行きそうな気がする(笑)
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
千葉県で開催中の展覧会