4.0
親近感がある
休日の11時頃訪問。それほど混んでなく、スムーズに見られます。なんとなく親しみやすい色使いが前半に多く、ドローイングを挟んで一転写実的な絵画となります。制作年が新しいものからの順路になりますので少し戸惑いました。後半は大型の作品も多く見応えがあります。新しい年代の絵画は題名のないものが多く、いまひとつ入りきれない感じがありました。
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小西真奈は、現代の日本において、風景画の可能性を拡張しているひとりです。アメリカの美術大学で学んだ後、帰国して描いた作品が、2006年のVOCA賞を受賞します。雄大な景観を大画面に収め、隈までしっかりと描きこんだ理知的な絵画は、広く人気を得ました。写真にも似た客観的描写は、個人的な思い入れなど感じさせず、穏やかに人々の記憶に語りかけます。
2010年代に生じた変化は、2020年代頭コロナ禍の時期に決定的になります。隔離生活を余儀なくされた時期に小西真奈は、自宅から歩いて行ける都立公園や付属の温室、あるいは近所を流れる小川を訪れ、それらの風景を描きました。対象との距離は縮まり、筆運びは即興的でおおらかになり、色は感覚的に選ばれます。絵を見るわたしたちの緊張を解くような、軽やかさとやさしさが魅力です。
本展は、小西真奈の美術館での初の大規模個展となります。2000年代の代表作を精選し、また近作と新作をたっぷりと展示します。どこででもあり、どこででもないような場所を描いた風景画を、どうぞご堪能ください。
◆ 小西真奈(こにし まな)
1968年東京都生まれ、在住。1993年アメリカ・ワシントンD.Cの美術大学コーコラン・スクール・オブ・アート卒業。メリーランド・インスティテュート・カレッジ・オブ・アートに進学し、ニューヨークスクールの画家であるグレース・ハーティガンの指導を受ける(1996年修了)。帰国後2006年に「VOCA賞」を受賞し注目を集める。主な個展に、「Gardens」(2024年 上野の森美術館ギャラリー、東京) 、「どこでもない場所」(2007年 第一生命南ギャラリー/ARATANIURANO、東京)など。作品は、神奈川県立近代美術館、第一生命保険株式会社、横浜美術館などにコレクションされている。
会期 | 2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・振) |
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会場 |
府中市美術館
![]() |
住所 | 東京都府中市浅間町1丁目3番地(都立府中の森公園内) |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 月曜日、12月29日(日)~1月3日(金)、1月14日(火) ※ただし1月13日、2月24日は開館 |
観覧料 | 一般 800円(640円) 高校・大学生 400円(320円) 小・中学生 200円(160円)
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/ |
◆ アーティストトーク
日時:12月14日(土)
会場:企画展示室
予約不要、無料 ※企画展観覧料が必要です。
◆ レクチャー「小西真奈の絵画」
講師:神山亮子(府中市美術館学芸員)
日時:2月2日(日)午後2時から
会場:講座室
予約不要、無料
◆ 小西真奈 対談
ゲスト:加藤泉(画家)
日時:2月11日(火・祝)
会場:市民ギャラリー
予約不要、無料
4.0
休日の11時頃訪問。それほど混んでなく、スムーズに見られます。なんとなく親しみやすい色使いが前半に多く、ドローイングを挟んで一転写実的な絵画となります。制作年が新しいものからの順路になりますので少し戸惑いました。後半は大型の作品も多く見応えがあります。新しい年代の絵画は題名のないものが多く、いまひとつ入りきれない感じがありました。
4.0
油彩の風景画。絵具の塗り重ねが少なく、透明感、みずみずしさ、フレッシュさ、が溢れています。
即興に近いタッチも多く、面白い。筆致があらわで、それが水面や波間の動きにぴったり。イッパツで描き切っている。
この特徴はここ数年の近作でより鮮明になってきてます。
近寄ると大胆な筆遣い。輪郭は明確ではなくぼやけている。
でも、離れると写実的。やさしさや心地よさを湛える情景描写になっていて面白い。
ちょっと外出して、気持ちいい場所や観光地で撮った写真のような作品たち。
実際に制作に写真を使っているとのことですが、効果的です。
初期作のVOCA賞受賞《キンカザン2》は出色。
私の住む武蔵野の身近な風景も多く、親近感を覚えました。
5.0
まず目を惹かれたのが色使い。海の青、植物の緑に効果的に表れる明るいピンク。観ていてとても気持ちが明るくなりました。
武蔵野をモチーフにしているせいか、既視感もありつつ、展覧会タイトルの通り場所にとらわれない自由さも感じられます。
アートアジェンダの紹介で初めて知ったアーティストでしたが、これからの作品も楽しみなアーティストに出会うことができました。
4.0
2000年代の代表作から新作まで、総展示数100点越えの大規模個展です。マチエール、運筆、色彩、構図は作家の個性を遺憾なく発揮していているにも関わらず、作品の印象は理知的で静寂、ノスタルジーさえ感じる風景画。初めて作品を観ましたが人気の理由を垣間見た感じです。展示室はキャプション少なく、出品リスト兼観賞ガイドに詳細が記されているのも展示室内の風景画展示印象を損なわない感じがして良い雰囲気です。
4.0
平日の午後だったこともあり、人は全然いなくてストレスフリーで鑑賞できました。
特定の場所を描いているのだろうけど、タイトルは無題だったり対象物だったりするのでどこの場所を描いているのか分からないのですが、それがかえって想像力を搔き立てるというか、鑑賞者それぞれが今まで見てきた風景と重なりやすくなるのかなと思ったり。
初期の頃の作品と晩年の頃の作品のタッチはだいぶ違うのでどちらが好みかは人によって分かれそう。
作品のほとんどは作家所有物なので写真OKかと思いきやNGだったのでそこは残念でした。(ロビーの1点のみ撮影可能)
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東京都府中市で開催中の展覧会
《キンカザン2》 2005年 油彩、キャンバス 第一生命保険株式会社蔵
《Awesome Rocks》 2007年 油彩、キャンバス 府中市美術館蔵
《Untitled》 2023年 油彩、キャンバス 作家蔵
《Untitled》 2023年 油彩、キャンバス 作家蔵
《Flamingos》 2024年 油彩、キャンバス 作家蔵
《Untitled》 2020年 鉛筆、紙 作家蔵