3.0
なかなか面白い日本人の「夢」感を平安文学から
国立公文書館東京本館さんは、東京国立近代美術館のすぐお隣です。常に無料です。その名の通りお国から移管を受けた公文書や歴史資料を保管管理しているところなのですが、常設展示も行われていて、更に時々なかなか面白い特別展企画展もやってくれちゃっています。たまにのぞかせて頂いたのをちょっと思い出せば、天皇家関係資料や徳川家関係資料の企画展が多かったかもですが、近年では「江戸時代の罪と罰」「旗本御家人お仕事いろいろ」「ふしぎなふしぎな百人一首」「戊辰戦争―菊と葵の500日」などが、印象に残っています。今回はやっぱりNHKさんの大河ドラマ絡みで、「源氏物語」なのでしょうか。〈近美〉さんを観て元工芸館〈旧近衛師団司令部庁舎〉での「技を極める―伝統工芸が伝えるメッセージ」展を観て、竹橋駅に戻る時、『夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み』の看板でまたちょっと立ち寄らせて頂きました。平日午後、割合多くの観覧者がいらしていました。この春の特別展では「夢」をテーマに、『源氏物語』やその注釈書を中心とした平安文学全般に関する資料が展示されています。 和歌や物語には、「夢」が神仏のお告げであったり、亡き人からの伝言であったり、不思議な力を持つものとして描かれています。それは当時の信仰・文化の一つであり、 これらを読むことによって平安貴族の精神世界に迫ることができるのでは、ということの様です。私も学生の頃勉強した中世近世の古文書ですら、ましてや変体仮名など、とてもとても読めません。挿絵と文章に、注釈と、短歌などは現代の文字でも示されています。「ナナメ読み」というだけあって、本当にポイントだけかいつまんで上手く紹介されています。平安文学でなくても、昔話にも「夢」「夢占」「夢買」はよく出てきますよね。ちょっと「”夢”考」してみたくなりました。