4.0
視覚だけではなく「五感」であじわう!! 新しい試み。面白いけれど、もう一歩ほしかったです。
会期末ぎりぎりで行かせていただきました。平日午後、最終日近くの割には空いていて、ゆっくりマイペースで鑑賞出来ました。いつもは撮影不可な作品やコーナー(部屋)があるのですが、今回は全て撮影可でした。空いているせいか撮影可能なせいか、今回もご婦人のお友達同士で来られている方が、美術館であることを忘れがちになりやすいようです。良い展覧会なのに、とても残念です。
円山応挙《山水図屏風》、素晴らしかったです。長谷川等伯の《松林図屏風》を思いました。3Dも遠近法もない時代の遠近感の表現に、空気感の表現、更には温度や湿度の表現まで、本当に素晴らしいの一言です。
信長が切り取ったことで知られる香木《蘭奢待》、初公開とのことでしたが、少し前にサントリー美術館さんの徳川美術館展でも観ました(会期は三井さんより1日遅いのですが)。今年秋には永青文庫さんでも「蘭奢待」の展示があるのだそうですね。なんだか蘭奢待イヤー?? それだけ信長が、茶道具の時と同じようにあちこちに、細かく切って貴重な品として分け与えたので、頂いた方もきちんとした記録付きで伝えられている、当時の人たちにとってそういう品だと言うことで、また感動出来ます。でも残念ながら匂いは想像できませんでした。例えばこれとは違うけれど、香木と言われる2-3種のテイスティングが出来るコーナーがあり、「蘭奢待」を想像してみようなどあっても‥。
「触った感触を想像してみる」コーナーでは、長次郎作の黒楽茶碗《銘俊寛》と本阿弥光悦作の黒楽茶碗《銘雨雲》という2つの重要文化財の黒楽茶碗が展示されていて、飲み口が柔らかい形状の長次郎と、鋭角な光悦との違いを指摘し、実際にそれぞれでお茶を飲んだ時の「感触」の違いを想像してほしいとしていました。重要文化財に直接触る、ましてや口をつけることなどは出来ないのは当たり前ですが、似たような形状の茶碗を直接触り、ざらざらしたりごつごつした感じや滑らかな感じや、重さや、そして飲み口に指を這わせて飲んだ時の感触を想像する、なんてコーナーがあっても‥。
贅沢すぎますかね。
能面に彫り表された顔の表情から、それぞれの心情に思いをはせて、はなるほど実感でした。
想像してみる、はなかなか難しい作業ですね。でも作品一つ一つを、いつも以上にじっくり見つめ、味わうことが出来、とても良い試みだったと思います。皇… Read More