3.0
実用性のある焼き物が良かったです
横山美術館名品展「明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」
前半、宮川香山らの「花瓶に立体的な花や鳥など」が細工された陶器は、本当にこれが焼き物かと思う技巧で本当に素晴らしい。
素晴らしいのですが、この手のものばかりを観ているとやや飽きがくる・・・というところで、後半オールドノリタケ等、実際的な焼き物が出てきます。
個人的な好みですが、このような「使える芸術品」としての焼き物が好きです。
外貨獲得のための陶磁器の歴史の一端が見られて楽しめました。
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明治時代には、政府が推進する殖産興業、輸出振興政策により、日本の陶磁器が欧米を中心に積極的に輸出されました。その背景には、19世紀後半から欧米でたびたび開催された万国博覧会において日本の陶磁器が高い評価を得ていたことが挙げられます。
欧米の人々の好みにあうよう制作された東洋的なモチーフと精緻な技巧による絢爛豪華な陶磁器は、ジャポニスムの気運を高めるとともに欧米のやきものと相互に影響しあいながら、後のアール・ヌーヴォー、アール・デコへと展開する端緒となりました。
神奈川県内でも、1859年の横浜開港により、従来窯がなかった横浜で陶器生産がはじまり、京都から移り住んだ宮川香山(みやがわこうざん 1842-1916)が真葛焼(まくずやき)を試みて好評を博しました。香山の技巧を凝らした陶器からは、全力を尽くして世界に挑戦していた明治の陶工の気概が見て取れます。ほかにも素地を産地から取り寄せて横浜で上絵付を施す工場が多数でき、輸出港ならではの賑わいをみせました。
本展は、輸出陶磁器の全盛期である明治時代前半に海外へ輸出された日本各地の陶磁器の里帰り品を皮切りに、明治30年代以降のアール・ヌーヴォー、アール・デコに代表される新しい意匠(デザイン)を取り入れた作品を、公益財団法人 横山美術館の名品約140点により紹介するものです。
◆ 公益財団法人 横山美術館について
公益財団法人横山美術館は、株式会社プロトコーポレーション代表取締役会長・横山博一氏が収集した約3,000点におよぶ明治・大正期に制作された優れた陶磁器の里帰り品を後世に残し、世に広く伝えるため、2017年に名古屋市東区に開館しました。明治・大正期に日本から海外に輸出された陶磁器は、その卓越した技巧と斬新なデザインが注目され、近年、大きな脚光を浴びていますが、国内の現存数は限られています。日本では目にする機会の少なかった輸出陶磁器を里帰りさせるべく収集された横山美術館のコレクションは、近代日本における陶磁器の主要産地、代表的な窯屋、作家を網羅しており、近代陶磁史の研究に大きく資するものです。
同時開催
「新収蔵品展 特集展示:藤田嗣治の初期作品」
会期:9月23日(土・祝)~2024年2月18日(日)
会期 | 2023年10月7日(土)~2023年11月26日(日) |
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会場 | 平塚市美術館 Google Map |
住所 | 神奈川県平塚市西八幡1-3-3 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日、10月10日(火) ※ただし、10月9日は開館 |
観覧料 | 一般 900円(720円) 高大生 500円(400円)
|
TEL | 0463-35-2111 |
URL | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/ |
割引券 | http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/info3.html |
◆ギャラリートーク
日時:10月8日(日)14:00-14:40
講師:原久仁子氏(横山美術館学芸員)
日時:10月21日(土)、11月4日(土)
各14:00-14:40
講師:平塚市美術館学芸員
展示室Ⅱ(申込不要、要観覧券)
3.0
横山美術館名品展「明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」
前半、宮川香山らの「花瓶に立体的な花や鳥など」が細工された陶器は、本当にこれが焼き物かと思う技巧で本当に素晴らしい。
素晴らしいのですが、この手のものばかりを観ているとやや飽きがくる・・・というところで、後半オールドノリタケ等、実際的な焼き物が出てきます。
個人的な好みですが、このような「使える芸術品」としての焼き物が好きです。
外貨獲得のための陶磁器の歴史の一端が見られて楽しめました。
楽しみにしていた『横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ』を見に平塚市美術館へ行ってきました。
名古屋の横山美術館へは遠くてなかなか行けないので、この展示を知り嬉しさに飛び上がりました。
明治・大正期に輸出…readmore
4.0
平塚美術館で開催の横山美術館名品展
明治•大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ
超絶技巧の数々、圧巻でした。
まさに日本人が見ていない日本の芸術品。
これらの作品を保存している横山美術館にお礼を言いたい!!
横浜の空襲で、工房が全焼してしまい、宮川香山は4代で終わってしまいました。墨田焼なる素晴らしい窯も存在していたことをはじめて知りました。
日本にもアール・ヌーヴォーの流行は確実に伝わっていて、その影響のなかで外国で売れるように作っているのがよくわかりました。そこには日本の伝統の素晴らし、日本人のセンス、技術力、マーケティング力がハッキリ伝わってきて、とても興味深かったです。日本人の美意識、繊細さ素晴らしい!!
片道2時間掛けて行きましたが、行った甲斐がありました!!行けて良かった!観れてよかった!知れて良かった!
平塚では11/26日までですが、お時間を作ってでも是非行って欲しいです。
または、名古屋の横山美術館で!
残念なことに、図録は完売しています、とのことでした。。。
3.0
平日午前ということもあり、静かで落ち着いた雰囲気の中、じっくりと鑑賞できました。
宮川香山作品の絢爛さと立体的な造形は見事の一言でした。
3.0
今年の2月に初めて横山美術館を訪問。作品も展示数も過剰で、圧迫感がすごい(笑)
今回もそんな感じを味わいたくて見に行きました。
宮川香山推しかと想像していたけれど、見る機会の少ない墨田焼や京焼も出品されていて、ミニ横山美術館といったところでした。横山美術館のサイトにある「美術館概要」に載っている作品が多く展示されていて、力が入っているのがわかります。
印象的だったのが数点展示されていたカップ&ソーサー。和柄と形状のなんとなくミスマッチな感じが微笑ましくて、使ってみたくなります。マグカップといってもいい大きさのカップにソーサーを合わせたものもあり、欧米の習慣に寄せて製作していたことが伺えました。
「盛上切子」「盛上網」の技巧も見応えがありました。焼く前にどんな設計をすればこの形に仕上がるのが、技巧も想像力も駆使した作品になっています。
超絶技巧=宮川香山だと思っている人、横山美術館に行ったことのない人におすすめの展覧会です。
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