新発見!蕪村が最初に手掛けた「奥の細道図巻」、芭蕉への敬愛の念も込めて
『おくのほそ道』は、松尾芭蕉が門人の曽良を伴って出かけた旅を記した俳諧紀行で、高校生の時冒頭を暗唱した記憶のある方もおいででしょう。紀行文は旅の途中にただ書かれたものではなく、何度も推敲を重ね、筆写本のほかに、芭蕉自筆のも…readmore
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松尾芭蕉を深く敬愛していた与謝蕪村(1716~83)は、芭蕉の俳諧紀行『おくのほそ道』を主題とした作品を数多く制作しています。なかでも、『おくのほそ道』の全文を書写し、関連する絵を添えた作品は、これまで4件の現存が知られていましたが、このたび新たに5件目となる作品が発見されました。
この作品は、史料のみから知られるものも含め、諸本中もっとも早い時期に制作された作品であり、それらの起点となる重要作と位置付けられます。
奇しくも、『おくのほそ道』が刊行されてから320年となる節目の年に発見された蕪村の図巻を、関連する京都国立博物館の所蔵品とともに初公開します。
会期 | 2022年6月14日(火)~2022年7月18日(月・祝) |
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会場 |
京都国立博物館
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展示室 | 平成知新館1F-2 |
住所 | 京都府京都市東山区茶屋町527 |
時間 |
9:00~17:00
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休館日 |
月曜日 ※ただし、7月18日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 700円 大学生 350円
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TEL | 075-525-2473 (テレホンサービス) |
URL | https://www.kyohaku.go.jp/ |
『おくのほそ道』は、松尾芭蕉が門人の曽良を伴って出かけた旅を記した俳諧紀行で、高校生の時冒頭を暗唱した記憶のある方もおいででしょう。紀行文は旅の途中にただ書かれたものではなく、何度も推敲を重ね、筆写本のほかに、芭蕉自筆のも…readmore
5.0
与謝蕪村の「奥の細道図巻」が新たに発見されたということで、
(A)→今回新発見の作品
(B)→(A)の翌年に作られた、以前より京博所蔵の作品
(C)→(B)の模本
の3点が展示されています。
(A)は「月日は百代の~」で始まる前半部分、(B)と(C)は後半部分の展示です。展示室内はほぼ貸し切り状態だったので、何度も行き来しながら3作品を見比べることができました。(A)は最初期の「奥の細道図巻」ということもあってか、行間が広めで読みやすい文字や、緩い雰囲気ながらも情景が伝わってくる挿絵に、蕪村の芭蕉に対する気持ちが特に込められているような気がしました。
展示室で見ることができるのは巻の半分ですが、入り口で配布されているリーフレットには(A)の全場面がカラーで載っているので是非貰って帰ってください。
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重要文化財 奥の細道図巻 下巻(部分) 与謝蕪村筆 江戸時代 安永7年(1778) 京都国立博物館蔵
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