特集展示 新発見!蕪村の「奥の細道図巻」
京都国立博物館|京都府
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新発見!蕪村が最初に手掛けた「奥の細道図巻」、芭蕉への敬愛の念も込めて
『おくのほそ道』は、松尾芭蕉が門人の曽良を伴って出かけた旅を記した俳諧紀行で、高校生の時冒頭を暗唱した記憶のある方もおいででしょう。紀行文は旅の途中にただ書かれたものではなく、何度も推敲を重ね、筆写本のほかに、芭蕉自筆のものも現存が確認されているそうです。
関西では、逸翁美術館で蕪村の作品を拝見することも多く、重要文化財となっているポキポキとした蕪村独特の字による逸翁美術館本もご覧になった方も多いのではないでしょうか。
芭蕉亡き後も、芭蕉を敬愛する人は多く、芭蕉百年忌に文人画の大家で俳画の名人でもあった・与謝蕪村に「おくのほそ道」を筆写して、俳画も添えて制作してほしいと注文した人は少なくなかったでしょう。
今回発見された図巻は、これまで蕪村の作と伝わる4作品よりも先に手掛けたものと判明しました。その後の作品にみられる書体ほど独自性はないものの、添えてある俳画はなんとも飄々として味わい深い。1階の特集展示室入口には、福士研究員による「新出の与謝蕪村筆『奥の細道図巻』について」とした解説書があり、新しく発見されたこの図巻の伝来についても詳しく解説されており、その辿った経緯についても興味深く拝読しました。
京博は、旧館が工事中で平常展示に使用できないため、特別展の合間合間に平常展示をしています。その平常展に京博所蔵のお宝がしらーっと展示されていることもままあるのです。
7/24までの平常展では、2階奥の絵巻展示室は、繊細で美しい線のモノクロの世界「白描」、
近世絵画の展示室は、な、なんと「生誕420年 狩野探幽」探幽の作品に静かに浸る空間でした。お薦めです。
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- BY morinousagisan