3.0
末広がりな日本陶芸にエール!
魚と湯と癒しを求めて年末の熱海へ。
MOA美術館をウン年ぶりの訪問です。美術館入口への急傾斜はバスで。1時間に2本ペースで運行しています。そして入口から本館へ続く社会主義国某シェルターのような4フロア分エスカレーター相変わらず圧巻です!
外に面した階段広場、山肌に面した美術館から望む海は空の蒼と海の碧がキラキラ輝く絶景。
『未来へつなぐ陶芸展』は、歴代の人間国宝の名品から最新作品まで100点以上の作品が一堂に集まり、陶芸の歩みと多彩な今を紹介しています。
目的の野々村仁清作の『色絵藤花文茶壷』は区画丸ごと使った堂々一点の展示。さすが国宝です。
高さ30cm程のふっくらしたフォルムで、白地に赤、紫、緑の色鮮やかな蔓が絡まり、垂れ下がる藤の花が綺麗です。
この他直径70cmくらいの大型のお皿を始め、文鉢、花器、茶碗等ズラリと並び、幅広さに目を瞠ります。陶芸世界の広さに、その未来の頼もしさを感じます。
細緻な絵付けからトルコブルーの色鮮やかなものまで、同じサイズでも土の質感の違いもあって十人十色の美しさです。
個人的イチオシ『黑描鳥花文鉢』。
白化粧の上に水墨画のような椿が尾形光琳を連想させてモダンな美しさに一目惚れしてしまいました。
作品数に圧倒されて気分的にお腹いっぱいになる展覧会。キャプションに材質、作家情報がもう少し欲しかったのと休憩椅子が少ないのが難点でしょうか。
でも海を望む併設カフェの珈琲は絶品です。熱海の海とアートを愛でる休日いかがでしょう。