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所有していることとどのようにヒトに見せるか。それも文化。
書は難しく、さっぱり分かりません。更に禅宗はもっと分かりません。実は実家は一応曹洞宗だというのに、これが全く理解できないのです。それでこの展覧会。それが五島美術館さんによれば当時、「何が書かれていたか」よりも「どれぐらいの数の字が、どんなスタイルで書かれているか」にスポットが当たっていた面もあったそうで、要するに「おしゃれで格好いい」流行のインテリアだったわけだと…。軸にする際の装飾も、豪華な袈裟を象ったものであったそうで、それを茶会で飾ることが権力・財力・教養を示すことにもつながっていたようです。もちろん、そういう事実が「禅」の哲学的・宗教的・精神的な意義を下げることではない、ただ、それとは別の「世俗の価値」や「社会的な意味」が「禅」の美術にある、ということなのだそうです。中国から帰った禅僧=エリートたちは、我が国に当時最先端の文物をあまたもたらしました。それがカッコ良くない訳がないのだと。なんだかまだ良く判らないですが、一応禅宗の書画を少しは楽しむことが出来ました。また特別展示で[国宝]紫式部日記絵巻(五島本第一・二・三段)も見ることが出来ました。第2展示室は館蔵日本陶磁コレクションで、桃山時代を中心にした茶碗、花生、水指、向付などの名品が展示されてあり、こちらもある意味、今につながる日本の美の感覚の一片が、見れたようです。