5.0
写真がメインだが他も充分堪能できる。
・一つ前のアレックス・ソス展があまりにも解説少なかったから、反動じゃないかと思った(笑)位、解説がしっかりあって、わかりやすくていい。作家に関する解説だけでなく、材質、技法、オリジナルかどうかなど、当たり前のように思うが写真展では意外とそうでもないという、この辺の作品解説をきっちりしてくれただけで満足度は高かった。思ってた以上にオリジナルプリント多し。
・章立てもあるが、基本年代順をかなり意識して構成されていた為、作家の業績(どうしても写真)が理解しやすかった。しかも章立てを理解するための展示数が充分あり、解説もしっかりしてるので鬼に金棒。展示数多いです。リストは260点+参考10点。きちんと見ていくと相当時間掛かります。
・写真展かと思いきや、オブジェも相当あるじゃありませんか! それ以外にも版画(エッチング、リトグラフetc)、雑誌などの書籍関連、手紙とか少ないが絵も。写真がメインだが、マン・レイがどんな作家なのか知るには十分。
・「女性」を軸にしているので、デュシャンと絡んだ小ねたなどは少なく、ダダやシュルレアリスムには深くは触れていません。
・と言いつつ、展示室4では企画の本展とは別枠で「マン・レイと日本」という展示を行っています。これが濃い。ここ一部屋だけのリストで44点。雑誌や書簡、写真など。マン・レイの日本での受容と、日本のシュルレアリスムへの影響や交流がメイン。
実は、12/17飯沢耕太郎先生の「マン・レイと日本の前衛写真」という葉山館企画の講習会に参加したのですが、マン・レイの写真を口火に、昨年東京都写真美術館であった「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」展の解説を突然敢行するという、かなりパンクな内容(笑)でありました。これがまた、客がノリノリでついていくところにビビりましたけども(笑)。そこでの内容はこの展示へとかなり繋がっています。文字資料が多く、ここも時間掛かります。
・最後に、この方は晩年絵を描いて質素に暮らしていて「自分は写真家じゃない」と言っていたそう。解説には出てはこないのですが、作品見てるとやはりデュシャンと一緒の頃が一番楽しそうです。写真での商業的な成功に、芸術家としての軸を乱すことがなかったのはすごい。
・でも、まだある(笑)。さらに展示室3bで内藤礼さんのコレクション展が観られます。とても静謐な世界観の作… Read More