4.0
色彩を追求するとマチエールになる
カラー・フィールド・ペインティングとか、ポスト・ペインタリー・アブストラクションと呼ばれている米国で起こった一群の画家たちで、色彩を追求した。
今まであまり見たことがないラリー・プーンズとジュールズ・オリツキーの作品がたくさん見られて良かった。
カラー・フィールド・ペインティングについて私が今まで抱いていたイメージは、ケネス・ノーランド、ヘレン・フランケンサーラ―、モーリス・ルイスのようにステイニングと呼ばれる薄塗りが特徴だが、オリツキーの後期とプーンズはかなり厚塗だ。
色彩を追求するとマチエールになるといえる。水戸部七絵や川内理香子のような現代の若手ペインターでも厚塗りの画家が多く目につく。カラー・フィールド・ペインティングの系譜は確実につながっているのだろう。
ちなみに、カタログの加治屋健司さんの論考は、色彩ではなく、コンポジションについて書かれており、不意をつかれたがなるほどと思った。