4.0
偉大なお方
いろんな面で日本美術界に多大な貢献があった三溪。
コレクションのみならず、自作のものまで多数。
何年かに一回は訪れる三溪園、また行きたくなりました。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 299 の美術館・博物館と 537 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
原三溪(はらさんけい 原富太郎、慶応4/明治元年から昭和14年)は、横浜において生糸貿易や製糸業などで財をなした実業家です。明治初年に生まれ、昭和戦前期にいたる近代日本の黎明・発展期に経済界を牽引しました。
一方で三溪は、独自の歴史観にもとづき古美術品を精力的に収集したコレクターであり、自由闊達(かったつ)な茶の境地を拓いた数寄者、古建築を移築して三溪園を作庭・無料公開して自らも書画・漢詩をよくしたアーティスト、そして、同時代の有望な美術家を積極的に支援し育んだパトロンでもありました。
三溪のこうした文化的な営みは、財界人としての活動や人的交流、社会貢献活動家(フィランソロピスト)としての無私の精神にもとづきつつ、近代日本における美術界・美術市場の確立の過程と軌を一にしながら展開したと言えるでしょう。
本展は、原三溪の四つの側面、すなわち「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」としての業績に焦点を当てます。
それらの相互関連を時代背景も視野に入れて探りながら、今日、国宝や重要文化財に指定される名品25件以上を含む三溪旧蔵の美術品や茶道具約150件と、関連資料を展観することによって、原三溪の文化人としての全体像を描きだします。
三溪自身も一堂に観ることが適わなかった旧蔵の名品を、過去最大規模で展観する貴重な機会となります。
※一部、展示期間が限定される作品があります。
会期 | 2019年7月13日(土)~2019年9月1日(日) |
---|---|
会場 |
横浜美術館
![]() |
住所 | 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 |
木曜日 |
観覧料 | 一般 1,600円(1,400円/1,500円) 大学・高校生 1,200円(1,000円/1,100円) 中学生 600円(400円/500円) 【早割ペア券】2枚1セット 2,200円
|
TEL | 045-221-0300 |
URL | https://harasankei2019.exhn.jp/ |
4.0
いろんな面で日本美術界に多大な貢献があった三溪。
コレクションのみならず、自作のものまで多数。
何年かに一回は訪れる三溪園、また行きたくなりました。
4.0
皆さんが書かれている通り、なかなか地味ですが内容はとてもいいです。会期末なので、今更なのですが、引っ越してしまってとても遠くなってしまったハマ美に、久しぶりに頑張って出かけてみて本当に良かった展覧会でした。上野の国立西洋では松方コレクション展が開催され、大変話題になっていますが、横浜は何といっても三渓さんですよ。彼がいたから生まれた素晴らしい作品、守られた貴重な作品が、それでもほんの一部ですが、展示されていました。松方さんは本物の西洋芸術を日本人に見せてくれるため、大変な時代に奮闘努力されました。昔、事業に成功してお金持ちになられた方々が、素晴らしき見識の方々だったため、原さんも一人ですが、旧財閥系の美術館に、今私達は沢山行かせて頂いておりますが、彼らの様な方々のおかげで、明治期も先の大戦後も、貴重な美術品が皆、二束三文で海外流出する水際で、なんとかぎりぎり食い留めてくれていたのかと、そして彼らの支援の下で、新しい時代のアーティストたちが育ったのですから、ホント頭が下がります。三渓園では先日18日まで鶴翔閣(旧原家住宅)が公開されていました。鶴翔閣は修復というより復元ながら、是非一度はご覧になられた方がいい建物です。園内には他にも重要文化財の建物が沢山あります。今はの記念館で「三溪の芸術・三溪旧蔵の工芸品」他の展示が見られます。展覧会と一緒に三渓園にも足を延ばされたら、より良かったと思います。
5.0
三渓園は紅葉の季節などに行ったりはしますが美術コレクターとしての面は
あまり知らずに今回の展覧会を行きお勉強してきました。
お盆に入ってからのため後期展示でした。孔雀明王と横山大観の作品が展示替えでありませんでしたがトーハクですからそのうち見れる機会があるかと。
コレクターの面はなんとなく松方幸次郎に似ている面があるかと思いました。
ただ自分自身も作品を作ったりパトロンとして若手を支えた面は日本の文化面への貢献になったと思います。また「睡蓮」と「蓮」の違うものですが水面に浮かぶ葉、花が好きなのかというのも共通に思えた。
作者みると知った名前が多いです。
横浜にゆかりのある人の貴重なコレクションってことではまっこしてはうれしかったです。
4.0
こちらのサイトでチケットプレゼントに応募し、当選したのでありがたく行って参りました。
私は生まれてこのかたずっと横浜に住んでいますが、三渓園という場所は知っていても、原三渓という人物についてほとんど何も知りません。それどころか、原三渓という人物の存在さえ知らないという人も多いと思います。
この原三渓というかた、自らも絵や茶の湯を嗜む風流人であり、一方で莫大な資金力で日本美術を買い漁った人物とのこと。
その審美眼は文句なく一流。
「伝」○○作、という但し書きがついている作品が多いものの、日本美術の中でもトップアイドル級の作品が多数展示されておりました。
雪舟や狩野永徳といった中世の名手、近代の速水御舟による『京の舞妓』など、時代は様々ですがその時代の代表的な画家の作品が見られます。
期間限定で展示されていた、国宝の孔雀明王は別格として、やはり地元横浜で永徳、雪舟が見られるというのはたまらない醍醐味です。
一方で、あまり有名ではない画家の作品も多く展示されていますが、三渓の確かな審美眼によるセレクトというだけあり、見ごたえのある作品が多かったです。
中でも是非注目してほしいのは下村観山の作品。
以前観山オンリーの展覧会もここ横浜美術館で行われたこともあり、名作『小倉山』も収蔵しているなど、縁の深い画家ですが、その独特の色調、細密な描写は息を飲む美しさです。
後半では観山の数ある作品の中でもひときわ評価の高い、三渓園の梅を描いたと言われる、かの『弱法師』も展示されるとのこと。これも見逃せませんね。
観に行ったのが会期の前半ということもあるでしようが、夏休み真っ盛りの八月と考えると、思っていたより空いており大変快適でした。今後混雑するかもしれませんが、それを割り引いても出品されている作品のクオリティーの高さを考えると、かなり穴場でおトクな展覧会かと思います。都心の方でのPRが足りなかったのでしょうか?少々もったいない気がします。
それにしても三渓のこの審美眼。
深く感心、感動せずにはいられないひとときでありました。
5.0
原三渓のことは正直よく存じ上げなかったのですが、展覧会の新聞広告にあった孔雀明王像に惹かれて行ってきました。平安時代以降の国宝、重要文化財の作品が数多く展示されていてびっくり。例の孔雀明王像は、平安時代の作品とは思えないほどの色鮮やかさで、期待に違わず心を惹かれました。ほかにも、雪舟の山水画、狩野永徳の屛風画、尾形光琳、円山応挙など、誰でも知っているような大家の名作が並び、飽きることがありません。また、彼がパトロンとして支援してきた、横山大観、下村観山などの日本画家達の作品も多く展示されていて楽しめました。今度、三渓園も是非訪れてみたいと思いました。
4.0
最初に展覧会の概要がわかる展示から、原家に入る前の青木富太郎から、原三溪の蒐集した名品と共に紹介され、原三溪の多面的な才能と人物像がよくわかりました。
数々の展覧会でみた、あの作品も、この作品も三溪旧蔵の品であったのか。と思うほどの品がならび、日本美術院の画家たちの支援や購入の作品が今や画家の代表作となっていることや、三溪自身の描く作品にあらためて稀有な近代の数寄者で実業家であったと深く思いました。
4.0
茶人として有名ということは知っていたのですが、本当に目の肥えたかたらしく、素敵な蒐集品がたくさんでした。
集めたものだけでなく、ご本人の日本画の作品もとても素敵でした。ほのぼのとして明るく、優しい作品がお人柄が表れているのかなと思いました!
3.0
原三渓、なかなか良かったですね。
東博や東近美で見るあの作品も三渓コレクションだったの!と驚きました。
雪舟、永徳、光琳、応挙、観山、紫紅、御舟と優品良品ばかり。
原三渓自身の作品をもう少し減らして近代日本画の出品が多ければ、と思ってしまいました。
ただ展示環境はあまり良くはないです。
メインビジュアルの《孔雀明王像》とか天井の照明の映り込みが酷すぎて斜め横から見ないといけない始末。
こちらの作品こそ単独ケースで間近に鑑賞出来るようにすべきでしょう。
掛け軸も遠く見づらいので単眼鏡必須です。
最近はサントリー、根津、五島と展示環境が良質の美術館が多いので横浜美術館にはもっと頑張って欲しかったです。
三渓園でも下村観山を中心とした日本画展を開催中です。
併せて楽しんでも良いのではないでしょうか。
4.0
原三溪がいかに様々な美術品を収集していたのかということがよく分かりました。絵画だけでなく茶の湯の道具なども収集していたのは意外な発見でした。
同じ横浜市本牧にある三溪園と合わせて訪れてみるとより楽しめると思います。
4.0
内容は本当に素晴らしいもので、三溪の審美眼には改めて恐れ入りました。
元信と永徳が並んでいるし、高野切は断簡ではなく一巻丸ごと。
小ぶりだけれど亡くなる直前まで眺めていたという雪舟、東博の頼朝像も彼のコレクションとは!実朝の観音もとてもよかった。
茶道具も名品揃いで時間を忘れて見入ってしまう。
しかし!この会場はいつも思うのだが作りが悪すぎると思う。
内容は★5つだけれど、会場は★1つのレベル。
「照明を暗くしております」といいながら天井、ロビー吹き抜けや非常口の明かり、自分の姿までもが映り込み、ものによってはどの角度から見てもよく見えません。
ガラスからの距離も遠いので、近寄るといらないものが映る、離れるとよく見えない・・・とストレスがたまります。
せっかくこれだけのものが集まったのにと残念でなりません。改善を望みます。
5.0
東博、東京国立近代美術館の常設展では 目玉になる名作が一同に。更に大和文華館、細見美術館、京博、北野美術館等からも貴重な優品展示されております。元信、永徳、久隅守景等狩野派、光琳、光甫、始興の琳派、大観、観山、春草、靫彦、古径、紫紅ら近代画壇のビッグネームの代表作の展示は見応えあります。仏画、仏像も展示と見所は尽きません。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
神奈川県で開催中の展覧会
国宝 《孔雀明王像》平安時代後期(12世紀)、絹本着色・一幅、147.9×98.9cm 東京国立博物館蔵、Image:TNM Image Archives
※展示期間:7月13日~8月7日
国宝 《寝覚物語絵巻》(部分)平安時代後期(12世紀)、紙本着色・一巻、26.0×533.0cm 大和文華館蔵
※展示期間:8月9日~9月1日
重要文化財 下村観山《弱法師》大正4(1915)年、絹本金地着色・六曲一双、各186.4×406.0cm 東京国立博物館蔵、Image:TNM Image Archives
※展示期間:8月9日~9月1日
重要文化財 伝毛益《蜀葵遊猫図》中国・南宋時代(12世紀)、絹本着色・一幅、25.3×25.8cm 大和文華館蔵
※展示期間:7月13日~8月7日
《志野茶碗 銘 梅が香》桃山時代(16世紀末~17世紀初期)、陶器・一口、高8.3・口径13.5・底径3.8cm 五島美術館蔵 撮影:名鏡勝朗
※展示期間:7月13日~8月7日
原三溪《白蓮》昭和6(1931)年、絹本淡彩・一幅、128.0×41.6 cm
重要文化財 伝本阿弥光悦《沃懸地青貝金貝蒔絵群鹿文笛筒》江戸時代初期(17世紀)、木製漆塗・一本、長39.6・径3.3cm 大和文華館蔵
※展示期間:8月9日~9月1日
原三溪ポートレイト 提供:三溪園