没後90年記念 岸田劉生展

東京ステーションギャラリー

  • 開催期間:2019年8月31日(土)~2019年10月20日(日)
  • クリップ数:53 件
  • 感想・評価:13 件
没後90年記念 岸田劉生展 東京ステーションギャラリー-1
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《麗子肖像(麗子五歳之像)》1918年10月8日 東京国立近代美術館
《黒き土の上に立てる女》1914年7月25日 似鳥美術館
《道路と土手と塀(切通之写生)》1915年11月5日 東京国立近代美術館 *重要文化財
《壺の上に林檎が載って在る》1916年11月3日 東京国立近代美術館
《路傍秋晴》1929年11月 吉野石膏株式会社
《自画像》1921年4月27日 泉屋博古館分館
《銀座と数寄屋橋畔》1911年頃 郡山市立美術館
《竹籠含春》1923年4月9日 個人蔵
《麗子微笑像》1921年10月1日 上原美術館
《B.L.の肖像(バーナード・リーチ像)》1913年5月12日 東京国立近代美術館
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この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

日本の近代美術の歴史において最も独創的な絵画の道を歩んだ孤高の存在である画家・岸田劉生(1891-1929)の没後90年を記念する展覧会を開催する運びとなりました。

明治の先覚者・岸田吟香(1833-1905)を父として東京・銀座に生まれた劉生は、父の死後、キリスト教会の牧師を志しますが、独学で水彩画を制作するなかで、画家になることを勧められて、黒田清輝の主宰する白馬会葵橋洋画研究所で本格的に油彩画を学びます。

そして、雑誌に紹介されたポスト印象派(当時は後期印象派)の画家たち(ゴッホ、ゴーギャン、マチスなど)を知り、「第二の誕生」と自ら呼ぶほどの衝撃を受けます。1912年には、斎藤与里、高村光太郎、萬鐡五郎らとともに、ヒユウザン会を結成、強烈な色彩と筆致による油彩画を発表します。

しかし、画家としての自己の道を探究するために、「近代的傾向…離れ」に踏み出し、徹底した細密描写による写実表現を突きつめた先に、ミケランジェロやデューラーなど西洋古典絵画を発見して、「クラシックの感化」を受けた独創的な画風を確立します。1915年には、木村荘八、椿貞雄らとともにのちの草土社を結成、若い画家たちに圧倒的な影響を与えました。

最愛の娘・麗子の誕生とともに、自己のなかの「内なる美」で満たされた究極の写実による油彩画に取り組みます。その後、素描や水彩画の直截な表現のなかに「写実の欠除」の意義を見出すとともに、関東大震災により京都に移住した頃から、東洋美術(宋元院体画、浮世絵など)に特有の写実表現のなかに「卑近の美」を発見して、日本画にも真剣に取り組みました。

しかし、鎌倉に転居して、再び油彩画に新たな道を探究しはじめた1929年、満洲旅行から帰国直後に体調を壊して、山口県の徳山において客死しました。享年38歳でした。

日本の近代美術の歴史は、フランスの近代美術を追随した歴史であったと言えますが、画家・岸田劉生は、ただ一人、初期から晩年に至るまで、自己の価値判断によって、自己の歩む道を選択して、自己の絵画を展開していきました。

フランス近代絵画から北方ルネサンスの古典絵画、中国の宋元院体画から初期肉筆浮世絵へと、西洋と東洋の古典美術を自己の眼だけで発見、探究することで、自己の絵画を創造、深化させたのです。

本展では、岸田劉生の絵画の道において、道標となる作品を選び、基本的に制作年代順に展示することで、その変転を繰り返した人生の歩みとともに、画家・岸田劉生の芸術を顕彰しようとするものです。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2019年8月31日(土)~2019年10月20日(日)
会場 東京ステーションギャラリー Google Map
住所 東京都千代田区丸の内1-9-1
時間 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30)
  • ※金曜日は、20:00まで(最終入場時間 19:30)
休館日 月曜日 
9月17日(火)、9月24日(火)
ただし、9月16日、9月23日、10月14日は開館
観覧料 一般 1,100円
高校・大学生 900円
中学生以下 無料
TEL03-3212-2485
URLhttp://www.ejrcf.or.jp/gallery
割引券http://www.ejrcf.or.jp/gallery/campaign.html

東京ステーションギャラリーの情報はこちらMUSEUM INFORMATION

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感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

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初劉生

麗子像いくつかと坂のやつくらいしか観たことなかったので、回顧展の機会におじゃましました。
ゴッホかと思うくらい自画像多めなところと、西洋の影響を受けつつも独自の画風を極めようとしていたところに惹かれました。

4.0

いままでと見方がちょっと変わりました

ちょっと怖い作品がおおく、敬遠しがちだった岸田劉生さんでしたが、今回の展覧会でその生い立ちから人生や暮らしぶりがわかったことで、あの独特のタッチにこめた思いがちょっとわかったように感じました。
麗子像も、時代と成長にあわせてこんなにも変わっていくものだと、おもしろく見ることができました。
ちょっと苦手意識のあるかたも、一回見ていただくとかわるかも??

5.0

劉生の生涯がくっきり

劉生37年の生涯。僅かずつ変遷していく様が手に取るように分かった!特に自画像の表現から伺える精神的なものの変化が面白い!また、麗子像作品の中には未知のものも展示され、興味深い展覧会となった。数年後に再会したい!

THANKS!をクリックしたユーザー
Audreyさん

5.0

期間終了間近に駆け込みました。

こちらか、上野にするか迷った末に終了間近の「没後90年記念 岸田劉生展」へ

今年の9月10月は週末になると空模様が怪しくなる事が多く鑑賞の機会が少なかったのですが
東京ステーションギャラリーなら比較的、気軽に出かけられます。

写実とも超写実とも異なる世界です。
友人曰く「リンゴがリンゴでは無くなる程」の洞察と表現。

実際に筆をとる時間より、対象と向き合っている時間に重きをおいているのか?
穴が開くほど見つめて…

当時の環境を考えれば
今のスーパーに並んでいる傷の無いリンゴではないのでしょうが。

5.0

摩訶不思議なバランス感覚に共鳴す。

右脳と左脳、其々で感じたままのそんなニュアンスの画風であった事に触れ、
「麗子」や「自画像」では、ある面ナルシストを感もかいま見えたり。
肖像画においては、デフォルメされない人間の生気リアル。
ダークな色調に反しての鋭い眼差しと、細部まで描いた不自然なテカリが、
異質な独特なリアル感で、
画家本人やモデル本人の精神的内部が見れるようでした。
色調表現は違えど、ゴッホやゴーギャンをも感じさせる画風。
表現と感性に、激しいソウルを感じさせられました。

代々木や広尾の風景には、この界隈は、私の日常生活に密着しているエリアで、
こんなにも「土」の世界だったのかと、夢の中での出来事の様。
こんな風景の中に生きていた記憶が 見えて来た感じがします。

東京駅ステーションギャラリーの歴史的空間と素晴らしくマッチ。
相乗効果が効果的だったと感じました。
あの空間で 拝見できた事が、更に嬉しかったです。

拝観後に、東京駅ステーションホテルのレストランで、
日常にはない時間と空間で、「松茸」の秋メニューを堪能。
お蔭様で、非日常な時間を更に楽しめました。有難う御座いました。tokyo m.m

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Kimusan5057さん

5.0

歴史ある建造物の中で

連休最終日に立ち寄りました。改札出てすぐですので、大きい荷物を持ちながら観覧しているもいます。年齢層は老若男女といった感じで、世代が偏った感じはありませんでした。結構混んでいましたが、全体的に進みが早く、ストレスはあまりありません。肖像画が多かったですが、麻布、代々木、大連などの風景も味わい深くてよかったです。特に空がどれも青くきれいで、さわやかな気持ちになりました。印象派のような絵でした。若くして亡くなったのが残念です。今後さらに混雑するでしょうから早めに観覧した方がよいと思います。

5.0

岸田劉生のことが好きになる!

肖像画、風景画、静物画、日本画などの作品があった。西洋の影響を受けたり、東洋的な部分も見られたりして、当時の日本絵画の雰囲気が伝わってくる。作品の中に劉生の当時の思いが密かに現れているような気がした。特に麗子の絵は劉生の愛情がよく分かる作品となっていると思った。画家としての腕はもちろんだが、劉生のことが好きになってくるそんな展示だ。

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lotus8さん

3.0

自画像と麗子像

平日午前開館5分くらい前に到着
十数人くらいの人待ちでした
3Fは自画像が多く 全体的に茶色っぽい中 銀座と数寄屋橋畔が良かったです
畔というからには昔は水面がもっと見えていたのでしょうね

3Fから2Fの階段 縦長の照明 ステンドグラス 建設当時の煉瓦(触れてはいけません)が素敵です

2Fは多数の麗子像
個人的には 静物画が好みでした
籠椿が 一番良かったです

THANKS!をクリックしたユーザー
Kimusan5057さん

4.0

ストイックな…

肖像画は、そんなにポーズがあるものでもないので、特に自画像!書き込んで、書き込んで…ストイックに取組む姿を想像するが、娘の麗子のの画は、洋服も着物の色も柄も女の子らしく明るい色で可愛くて、笑顔の画もあって…画家としてプラス父親としての眼差しを感じました。
没後90周年、40歳前に夭折してしまって。
満洲で病気にならなかったら、どんな作品を残したのだろう。麗子の成長もずっと先まで観れたんだろう。if…。
東京ステーションギャラリーが煉瓦造りなので、のすたるちっくで
岸田劉生の時代感とマッチしていたと思います。
グッズが、ちょっと崩し過ぎた嗜好のイラストで、あまり好きじゃなかったです。
折角、東京まで来たので、おみやげに何か買いた買ったけど…図録や関連書籍いがいはパスしました。

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tutomune7さん、kojinoriyoさん

5.0

画家の人生をなぞる回顧展

作品が年代順に展示されており、岸田劉生という画家の人生をなぞるような展示で非常に楽しめました。
 岸田といえば、麗子像があまりに有名ですが、妻と娘との3人でのくらし・家族愛・岸田の人となりを、非常に近く親しみをもって感じられる展示内容でした。
 また、東京近代美術館所蔵の重文指定の名作「道路と土手と塀(切通写生)」の別アングルでの作品の存在を、本展で初めて目にしました。
 充実の展示、作品替えの後期展示にも足を運びたいと思います。

THANKS!をクリックしたユーザー
lotus8さん、Kimusan5057さん

4.0

肌の表現に特徴のある肖像画が印象的でした

あまり、日本美術の知識がなく
東京駅に近いことと勉強のために見に行ってきました

場所は東京駅構内にあり、レンガや鉄筋をそのまま生かした建物で
とてもいい美術館でした。(ちょっと上下移動が多いかな?)

岸田劉生の生涯を通した作品の移り変わりがわかる展示でした
肖像画から風景や静止物などいろいろチャレンジしていくのがわかり興味深かったです

なかでもゴッホなど印象派、後期印象派に影響を受けた作品もあり、いろいろと美術の世界もつながっているんだなぁと面白かったです。

また、日本美術についてもいろいろと知識を深め楽しんでいこうと思える美術展でした。

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Kimusan5057さん

5.0

岸田劉生の集大成

長くない一生の間に、多くの作品を世に送り出したエネルギーにまず感銘を受けました。
いろいろな画家の影響を受け、作風が変わっていくのが年代順に掲げられているためよくわかりました。
何枚も何枚も描いたであろう自画像は、時を経て精緻で昇華されたものとなっていっていると思いました。
数ある麗子像では、チケットにもなっている額をみせているものが秀逸だと感じました。
岸田劉生の作品は写実のようでいてそれをはるかにしのぐ魂の力を発しているものだと思います。
よい展覧会をありがとうございました。

THANKS!をクリックしたユーザー
かずまささん、Kimusan5057さん

4.0

肖像画に優品多し!

岸田劉生ファンなので東京SGで今年一番楽しみにしていた展覧会でした。
内容は劉生ベストとも言うべき画業を総括したとても力の入った展覧会だと思います。

ただ画家劉生には少なからずショックを受けました。
自分が魅力を感じていたのは土手を中心とした劉生ピーク時、最も脂の乗った一時期だったのだと。

東京SGで言うと3階フロアは大変素晴らしいです。
特に肖像画は劉生マジックとも言うべき鑑賞者を引きずり込むような魔力に満ちています。
2階メインフロアの麗子コレクションも悪くなく、ポーラ麗子は格別です。

ただそこから年代で言うと1922年くらいから急速に魅力が薄れていきます。
南画を書いても良いとは思うのだけれど劉生ならでは、というのが全く感じられず
ひどく凡庸というか、正直つまらなかったです。

魂を売り渡したかのような悪魔的な魅力を放つあの時期の作品は、だからこそ眩く鮮やかに輝くのかも。
展示替えも含めて数回は劉生に会いに行ってみようと思います。

グッズは少数ながら面白いものが揃っています。
一部ガラスケースへの映り込みで見づらい箇所があるので照明に工夫が必要と感じました。
人気展覧会になると思いますのでお早めにどうぞ。

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出展作品・関連画像IMAGES

《麗子肖像(麗子五歳之像)》1918年10月8日 東京国立近代美術館

《黒き土の上に立てる女》1914年7月25日 似鳥美術館

《道路と土手と塀(切通之写生)》1915年11月5日 東京国立近代美術館 *重要文化財

《壺の上に林檎が載って在る》1916年11月3日 東京国立近代美術館

《路傍秋晴》1929年11月 吉野石膏株式会社

《自画像》1921年4月27日 泉屋博古館分館

《銀座と数寄屋橋畔》1911年頃 郡山市立美術館

《竹籠含春》1923年4月9日 個人蔵

《麗子微笑像》1921年10月1日 上原美術館

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