4.0
カラー写真の見方が少し変わりました。
芸術写真と言えば、なぜかモノクロ(白黒)で、カラー写真は該当しないという先入観のようなものがありましたが、それが少しくつがえされるような展覧会でした。
カラー写真は個人的な記録のためか、あるいは商業用というイメージがありますが(・・・会場のパネルにもそんな意味のことが書いてありました)、単なる記録用とは異なるカラー写真があるのだと感じる内容でした。
一方で、当然、個性は出ています。
カラーだということを意識させるためか、赤・青・黄という原色は多用されていて、それが1つの作品のメインの色になっているものもありました。
何(どこ)を撮影したものかわからない(意図的にクローズアップしすぎだったり、場所が特定できるような特徴的なものが写っていなかったりする)ものが多い半面、画面全体の構成が抽象画のように感じられるものがあり、明らかに個人の記録写真(とりわけスナップ写真)とは異なるものだというのは、数点見ているだけで伝わってきます。
商業写真のようにこちらに何かを訴えてくるのではなく、見ているこちらが作品の中に入っていく(引き込まれる)ような感覚が、‘普通’の写真とは違いました。
展示数が多いので、丁寧に見ていたら時間がかかります。
少し離れたところから見て、気になるものを選んでじっくり見たほうがいいように思います。
モノクロ写真のいかにも芸術的な感覚に飽き気味(もっと言えば、うんざりしている)人には新鮮に見えるのではないでしょうか。