5.0
チョークの定着
映画のチケットを買ったあと上映まで1時間くらい時間があったので再訪。井上裕加里氏が1月末に行ったワークショップをもとに新しい映像作品を制作されると知っていたので観に行ったがまだ公開されていなかった。
その代わり前回見逃していた高田マル氏のチョーク壁画の制作映像を観に行った。入口からギャラリー南に向かう廊下に液晶画面が置かれていた。吹きさらしで寒い。
京都芸術センターの建物にチョークで線を描いた作品なのだが、壁に線を投影してそれを上からなぞる制作方法で面白かった。はしご車や大きな脚立を使って制作されていて思ったより大がかりだった。
高田氏がごりごりとチョークで何度もなぞりながら線を描き出しているのを見ると、チョークって頼りない画材だなと思う。実際この展覧会の最終日には、この絵は参加型のイベントを通して消されてしまうのだ。粘度を持った絵の具だと支持体にベタっと定着するが、チョークは粉なのでこすると簡単に剥がれ落ちてしまう。しかも今回は、黒板のような滑らかな支持体ではなく、凹凸のある壁だ。そのような支持体にそのような画材で線を描き出すために、高田氏は黙々とごりごりチョークを擦り付けていて、それはなんだか宗教的な祈りのようなものに感じた。



