3.0
感受性の強い人は要注意
私はいま流行の若い女性を描いた写実絵画が好きではない。
理由はキレイすぎるから。
傷も歪みもない女の子を写実と言われてもねぇ、と思ってしまう。
なのに、写実絵画を見にわざわざ天王洲アイルまで行ったのは、諏訪作品には人の実在が感じられるから。
曲がった鼻、皮膚に残った下着の痕、腕に浮かんだ静脈…、まるで自分の姿を見ているかのような普通の身体。
人ってこうだよね、と妙に納得してしまう。
ただし、今回は「死」の分量が多すぎた。
自身の父母の死姿、依頼で描いた夭折した青年など、いろんな喪失があって、まともに受け止めるとだいぶ重い。
私も途中で重くなってきたけれど、死にゆく母親のスケッチに書き入れられた「母さん 死なないで」で復活した。
認知症で別の病気も患い、酸素吸入のマスクを付け、あと数時間で死ぬであろう親になおも「死なないで」と思う作者と、私の死生観はまったく違う。
これで作品に引きずられていた気持ちがスッと消えた。
人の実在を見るつもりが、人の喪失を考える機会になってしまったけれど、こういう展覧会もたまにはいいかも。たまには。








