4.0
書的造形とデザイン、その流れがごく自然に感じる
書家の成す造形、そこからデザインへ。
本展で、その道筋が示されると、実に自然な流れのように感じる。
1980年代、西武、パルコ、あたりの絡みには私自身馴染みがあり、懐かしいリアル時代感を回想させられる。こういう一字書き、コラージュや前衛表現は、まさにシンプルで新鮮なデザインだったなあ、と。
一方で、時代を遡ると、1950年代頃はアンフォルメル旋風と同居することになった、というのも理解できる。書的な造形追求に一旦は傾斜し、そこから、字やコトバの表現に回帰、という作意の変遷が興味深い。世の中が、井上氏のデザイン性(造形性)に着目し引き寄せられる頃、当人は逆方向に向いているのね。
没後40年の回顧展、という謳うほどには、井上氏の作品数は多くはない。むしろ、あの頃、あの時代との絡みかた、を実感できる展示でした。







