4.0
静寂の中の熾烈
何かに抑圧されたかのような太い直線で描かれた像と錯綜する細いスクラッチ線。
ビュフェは阪急三番街のシンボルマークやロゴで馴染みがあったが、一連の作品を観るのは初めてで、この画家の曝け出された内部を見せつけられたかようなインパクトがありました。
彼の最後を思うと涙が出てきますが、それでもアナベルという一条の光が全ての絵画を照らし出しているかのように感じられ、それが救いとなりました。
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神経を突き刺すような黒い描線と、現実と非現実の間を漂うような、鈍い色彩に覆われた画面。ベルナール・ビュフェは、第二次世界大戦後、混迷する時代の閉塞感と不安を可視化したともいえる画風を確立し、20歳を目前にして、一躍世界の画壇の寵児となりました。
わが国でも、1960年代以降の安保闘争や学生運動が激化した時代に、その虚無的なイメージは熱狂的に受け入れられ、街頭や喫茶店の一角にも掲げられたビュフェ作品を、目にしたことがある方も多いと思います。その後もビュフェは、抽象表現へと突き進む美術の新しい動向に追随することなく、独自の具象表現を貫き続けました。しかしそのことで、通俗的、商業主義的と世間から批判を受け、次第に美術界から距離を置くようになりました。
本展では、これまで美術の歴史の中で語られることがなかったビュフェ作品を改めて問い直し、ピカソに並ぶ巨匠として再評価の機運にある、彼の視線の中にあった真実(リアル)を探ります。
出品作品は、世界で唯一のベルナール・ビュフェ美術館(静岡県長泉町)の所蔵作品から、彼が慈しみ描いた昆虫や静物のかたちを中心に、油彩、版画、資料ほか約60点を精選し紹介します。
| 会期 | 2025年10月4日(土)~2025年12月14日(日) |
|---|---|
| 会場 |
中之島香雪美術館
|
| 住所 | 大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4階 |
| 時間 |
10:00~17:00
|
| 休館日 | 月曜日(祝・休日の場合は開館) |
| 観覧料 | 一般 1,600円(1,400円) 高大生 800円(600円) 小中生 400円(200円)
|
| TEL | 06-6210-3766 |
| URL | https://www.kosetsu-museum.or.jp/nakanoshima/ |
4.0
何かに抑圧されたかのような太い直線で描かれた像と錯綜する細いスクラッチ線。
ビュフェは阪急三番街のシンボルマークやロゴで馴染みがあったが、一連の作品を観るのは初めてで、この画家の曝け出された内部を見せつけられたかようなインパクトがありました。
彼の最後を思うと涙が出てきますが、それでもアナベルという一条の光が全ての絵画を照らし出しているかのように感じられ、それが救いとなりました。
5.0
太い線が特徴で平坦な印象を受けやすい画風ですが、実物を見ると線の表現がとても繊細で表情豊かです。動物や肖像画を見るとデッサン力の素晴らしさもよく分かります。懐かしい阪急三番街の広告デザインも観ることができて楽しかったです。
ただ、虫が苦手な人にはおすすめしません。拡大された迫力ある昆虫がドーンと並んでいます。
写真で見るとビュフェさんは、なかなかのイケメンさんなのですが自画像がくどい。パートナーのアナベルさんは知的で美しく描かれているのに…。理由は分かりませんが、個人的には、そういうところにも好感が持てました。
展覧会の感想ではありませんが、次回の特別展は「大原美術館所蔵品」です。エルグレコの《受胎告知》が観れますよ。
4.0
「線」に命を捧げた孤高の画家―
ピエール・ベルジェに見出され若くして大成功を収めたものの、やがて具象画が評価されない時代となり、商業主義、マンネリなどとフランスの美術界からは批判され嫌われたとのことだが、自分の描きたいものやスタイルを貫いた孤高の天才画家、ということらしい。
大切なパートナーだったピエールとの別離、そして電撃的なアナベルとの結婚を経て、自画像や静物画、風景画ではどこか不穏な色調や形態を描いているが、アナベルを描いた絵は他の作品には観られない幸せな雰囲気でとても綺麗。
そしてその後、昆虫や鳥、サーカスのリトグラフなど、自分が描きたいもの、作りたい作品を追い続ける事ができた画家としての一生はとても幸せなものだったと思われる。
そんな彼の幸せを支えたのは間違いなくアナベルであり、そして多くの素敵な友人たちだったのだろう。
孤高で幸せな天才画家ベルナール・ビュフェの描く絵は、どれもとてもスタイリッシュでカッコよかった。
5.0
アナベルとの出会いが、ビュフェの人生を彩ったのだと感じました。
サインを書く場所によって、ビュフェの精神がわかること、とても興味深かったです。
満足感を得られる展示でした。
niko and …で、茶色がかったグレー地に、白を添えた黒のストライプが縦に走るボトムスを見つけて「ビュフェやん」と思って買った。必ず、これを履いてビュフェを見に行かねばならぬと決意した。社会人と云うものは由来こう云う他愛ない欲…readmore
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