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おおらかで遊び心に満ちた日本人の感性にほっこり
今展は、日本における焼き締め陶の歴史と美しさを紹介しています。これって、結構難しい。地味で渋~い展覧会です。でも、平日の朝一なのに開館前から随分と並んで‥、館内は混雑ということはなかったのですが、なかなか人気の様でした。今展では、根津美術館を創設した初代根津嘉一郎が蒐集した「焼き締め陶」の逸品を鑑賞できるほか、昭和時代に愛された中世古窯の壺・甕の名品の数々を、日本民藝館蔵や個人蔵も含めて一堂に集められていて、本当に様々なタイプの焼き締め陶に出会えます。5章構成で焼き締め陶がどのように茶道具として用いられ、また愛でられてきたかをも解説しています。産地ごとの土などの違いから来る個性も分かりやすく紹介されています。一応曲りなりにも焼き物大好きな私なのですが、正直なところ、何をおいても青磁好きで、次いで白磁、それから青絵染付、磁器に偏っているのです。それでも知識はないのですが、備前とかは結構好きな方なんです。特に緋襷の面白いのは大好きです。そんな私にも焼き締め陶の美に納得理解できる展示でした、と言いたいところでしたが、‥今一でした。釉なしの素朴さが良しとされる「焼き締め陶」は、特に茶道具として人気だとか、民芸運動で高く評価とか、それはそうかなとは思うのですが、窯の中で偶然や必然に起こった色々な現象が、陶を面白く変化させてしまう、その二つとない魅力は分かっても、何か今一つなのです。申し訳ありません。もう少しじっくりゆっくり、勉強してみたいと思います。民芸の心や茶人の境地ははるかに遠くても、土の焼き物の温かさと、偶然必然の変化を愛で楽しみ切る、おおらかで遊び心に満ちた日本人の感性に、ほっこりできた展覧会でした。
それから、私が見た時にはまだだったのですが、10月には、焼き締め陶の美を追究する3人の現代作家、打田翠氏、松永圭太氏、伊勢﨑晃一朗氏の作品を、庭園の茶室にてそれぞれ金曜から日曜の週末3日間展示されるとのこと。ちょっといいなと、残念に思いました。



