5.0
切り口と展示方法の面白さ
人口20万に満たない市にミュージアムがあることもだが、そんな小規模な美術館が持っているコレクションをどう見せるのかと興味があって訪れた。
第一室には 「万博」に関係したものが展示される。100年以上前のロンドン万博やパリ万博、そして日本は55年前の大阪万博。ロンドン・パリは、風刺画コレクションを多く持つこの伊丹ミュージアムだけあって、風刺画のクルックシャンクやドーミエが並ぶ。大阪万博の方は、パンフレットやチケット・地図などが展示され、今年開催の2度目の大阪万博を見据えてなのかなあと 展示物を選ぶ切り口に感心した。
ベルギーの市と姉妹都市の伊丹市。ガラス作品はベルギーのガラス作家の作品を多く展示しているのも一つの切り口と感じた。
展示方法も「江戸時代のもの」「ガラスアート」「その他海外作品や現代の作品」の3つを部屋で分けるのでなく、江戸時代の展示の横にガラス作品を展示するなど同じ部屋に違う種類のアートの展示を行う展示方法も面白いと思った。
案内写真のデュフィの「電気の精」。中ノ島美術館の「TRIO展」でも目にしていたものだが、こちらではゆったりと人物の名前(エジソンやワット、アンペールなど)を確かめながら鑑賞できた。