4.0
味のある良作にめぐり逢えます
「フォーブ・ショック」と題した企画展。
フランス、日本のフォービズム作家の作品約60点。必ずしもフォービズムの作品に限らず、その熱気が冷めた後に落ち着いた作風も合わせての展示です。
同館の所蔵品を中心に、大谷コレクションや茨城県近代美術館、多摩信用金庫、更には数多くの個人蔵の作品が集められてます。多摩信用金庫、実に良い物をお持ちですね。
著名作家が目白押しですが、味のある作品が多く、展示室の採光・照明などの見やすさも加わって、見応え十分の素晴らしい展覧会でした。
今回の個人的ピックアップ。
ヴラマンク《古い教会》:ヴラマンクらしい逸品、
里見勝蔵《女》:フォービズムのど真ん中表現、
ドンゲン《羽飾り帽の婦人》:個人的にはドンゲンはアタリ・ハズレの幅ありだがこれはビンゴ、
児島善三郎《座したる女》、等。
二階の展示会場ホールに日本のフォービズム集団・フュウザン会のメンバーの自画像、斎藤与里、木村荘八、岸田劉生、萬鉄五郎が並ぶ。これも良い。
フォーブ企画展の他にも見どころたっぷり。
「鴨井玲の部屋」では鴨井の絵画作品や遺品等約60点。酔いどれ男に自己投影した狂気帯びた自画像の数々、斜傾する3つのキュービックに抽象化された寒色トーンの教会作品、等。鬼気迫る。
別棟のフランス館での常設展の所蔵作品も、大家揃いだが実に味わい深い。
庭園の彫刻も素晴らしい。
初訪問ですが、日本を代表する画商の底力に感銘を受けました。