
丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展 ―追憶のオルソン・ハウス
アサヒグループ大山崎山荘美術館|京都府
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ずっと気になっていた絵画と館
アンドリュー・ワイエスといえば『クリスティーナの世界』。
学生時代、教科書に載ってあったこの絵を観て以来、興味を抱いていました。
あれは、どんなシチュエーションだったのか、彼女は何者か。
そして、あの彼女の見つめる先の家は何なのか。
そのワイエスの展覧会がある。
しかも気にはなっていたがなかなか訪れる機会がなかった大山崎山荘美術館で。
加えてキービジュアルがあの絵画の館ではないか。
幸運にもほん美術館の鑑賞券が本サイトのプレゼント企画で当たったので、早速行ってまいりました。
今回は『クリスティーナの世界』で描かれた件の館。オルソン・ハウスをテーマにした展示会。
オルソン・ハウスとはアメリカのメイン州にある農家で1700年代後半に建てられたのだとか。1939年、ワイエスはのちに妻となるベッツィの紹介でこの館とそこに住むクリスティーナ、アルヴァロのオルソン姉弟に出会い、その後30年にわたりこの家と二人を描いてきたのだとか。
今回の展示作品は未完の習作「オルソン家の終焉」を除きすべて水彩と鉛筆画。
しかしながら、水彩とは思えぬほどの圧を感じる作品ばかりです。
おそらくドライブッシュ画法を駆使し、「マジックリアリズム」と評されるワイエスの技術力によるもの思われます。
筆舌に尽くしがたいのですが、絵の中で確かに彼は生活をしています。
畑の案山子、石舟の上のバケツ、納屋の干し草置き場、穀物袋、そして煙突から立ち上る朝食の煙。
素描ではありましたクリスティーナもアルヴァロもそこで息づいています。
前後期合わせておよそ60点というそれほど多くない展示ではありますが、あの作品の気になっていた館を知る機会に恵まれ、まだ実物を観ていない「クリスティーナの世界」がより身近なものに感じられてなりません。
後期も鑑賞決定です。
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