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異端の奇才――ビアズリー展

異端の奇才――ビアズリー展

三菱一号館美術館|東京都

開催期間:

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美しい緊張感

なぜビアズリーに興味を持ったのか?
中世より”サロメ”は多くの画家が描き続けてきたテーマだからか、
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で作品を観たからか、
原田マハさんの小説を読んだからか、
はっきり思い出せないのだけど、この展覧会が開催されると知ったとき、自分の中で歓声が上がった。
白と黒で表現されるその世界は、観た瞬間から幸せになる類ではない。
描かれている人物の目の鋭さは、色がないからこそ、それをみる人をまっすぐ見透かし、
嘘が通じず、自分の内面に向き合うしかなくなるエグさを感じる。
けれど、ただの苦だけではなく、超えると、快楽も一緒にみえてくる。
ビアズリーの作品には緊張感がある。
緊張感を愉しむためには、コンディションを整えて行かなければ。
前売り券(2,100円)にするか、ビアズリー偏愛パスという名のフリーパス(5,000円)にするか、
長いこと悩んだ上、
毎月第2水曜日「マジックアワーチケット」(1,600円)に決め、
会期から初の該当日である、3/12(水)雨の中、丸の内まで向かった。
17:00のチケット販売時間の少し前についたものの、雨の中、すでに行列ができていた。
侮っていた、偏愛パスを販売するほど、コアなファンがいるのだ。
1時間近く待ってやっと入場。
入れたからと安心してはいけない、ここからが緊張が始まるのだ。
展覧会は6章で構成されていた。
第1章、入ってすぐにスキルに驚く。
こんなに細かくて繊細なものをろうそくの明かりの下で描いていたなんて。
第2章では、影響を受けた作家として、ホイッスラーがあったことにまた驚く。
 ホイッスラーといえば、私の気になる画家、ハマスホイも関心を寄せる人。
 ビアズリーとハマスホイ、ホイッスラーでつながるとは思いもしなかった。
第3章からは、印刷し、量産することを意識したことが見て取れる。
家具も展示されていて、束の間のクールダウンになった。
第4章は、サロメ。
ビアズリーといえば、やはりサロメ。サロメといえば多くの画家が描き続けてきたテーマ。
ビアズリー以外のサロメ作品も展示されている。
オスカーワイルドとの諸々もここで触れている。彼の挿絵でこんなにボツイラストがあったのかと驚く。
第5章は、制作の裏側。
自宅を一部再現した展示と、話題の18禁コーナー。
ビアズリーはこの章を好ましく思わないのだろうなと、少し早足で通過した。
最後の第6章は、成熟に向けて。
グレースケールの中のグラデーションが、
そこに色はないのだけど、色がみえるような気がした。
美術展といえば、オリジナルグッズ。
何度も手に取っては戻しを繰り返し、
ピンク地に黒でハサミが描かれていている『髪盗み――英雄喜劇的な5篇の詩』の表紙をモチーフとした、マスキングテープ・ステッカー・ハンカチを購入。
ここにきてピンクと意外性もあったものの、このピンクがあったからビアズリーの毒々しさが美しく感じ、手に取ったのだと思う。

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