特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」
京都文化博物館|京都府
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迫力の花鳥
京都文化博物館は金曜は19時まで入場可ということだったので、仕事終わりに同行者と合流して入館した。1階でチケットを買い、4階までエレベーターで移動した。
4階は撮影可。まずは「筧」がお出迎え。所狭しと描き込まれた卯の花に圧倒された。「絢爛の」という惹句だったので、もっとドギツい色かと思っていたが、色合いは落ち着いている。これからカラフルになるのかなと思う。
先に進むとインド旅行後の絵画。確かに色鮮やかになったが、輪郭線が描き込まれていない絵だと、もやっとした雰囲気になって、日本画特有のしっとりとした空気感が伝わってきた。
前から思っていたが、日本画には大きさの迫力がある。モナリザを見て、「But it's small.」と言った人みたいで嫌だが、自分の身長より高い屏風を見ていると素直に感心してしまう。さらに今回は花鳥画であったため、樹木が覆いかぶさってくるような、実際に森林の中に入り込んだような感覚になった。「見る」というより、風景を「眺める」という気持ちになる絵画だった。屏風の前にベンチが置いてあったので、座ってずっと眺めていられた。
屏風は一双の作品だったが、右隻と左隻で差し色や構図が異なるのが興味深かった。輪郭線の有無が対照的な「熱国妍春」、寒色と暖色が対照的な「雪」など、対照的な右隻と左隻がセットとされているのが面白かった。
3階は撮影NG。やはり圧巻だったのは、襖絵「虹雉」。鑑賞者が襖に囲まれるように展示されていて、博物館の一角であることを忘れた。
日本画は今まで、福田平八郎や奥村厚一を鑑賞したが、描き込まれた花の密度が石崎光瑤独特の迫力を生み出しているんだと感じた。今回残念だったのは、「若冲を超えろ!」という惹句だったのに、若冲をあまり知らないせいで全然比較できなかったこと。今度は若冲の展覧会に行ってみたい。
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- morinousagisanさん